2024.05.16

コツメカワウソの豆知識＆コツメカワウソに会えるおすすめスポット【世界カワウソの日】

2024年5月29日（水）が「世界カワウソの日」というのをご存知ですか？世界のカワウソの現状や保全について考えることを目的として、毎年5月の最終水曜日に制定されています。
日本の水族館や動物園では主にコツメカワウソに出会えますが、生息地の環境悪化や乱獲などで、野生の個体数が減少しており、絶滅危惧種指定の生き物です。

そこで今回は「世界カワウソの日」にあわせて、知っているともっとコツメカワウソが好きになる豆知識と、その姿が見られるだけでなく、生態を学べる展示やイベントなどが実施されている、おすすめのスポットを紹介します！

知っているともっとコツメカワウソが好きになる！豆知識3選

泳ぎが上手で手先が器用なかわいい生き物ということ以外に、生態については知らない人も多いのでは？コツメカワウソについてより深く知ると、実際に見た時に感じることや見るポイントも変わってきます。知っているともっと興味がわいてくる、豆知識を３つ紹介します。（監修：サンシャイン水族館）

カワウソは毛皮が分厚く二層構造になっている

カワウソは水をはじく長い外側の毛と、“アンダーコート”や、“アンダーファー”と呼ばれる綿のような短く密度の濃い内側の毛を持っています。その二層構造のおかげで皮膚が水に濡れないようになっているそうです。

なおユーラシアカワウソの毛の密度は1mm四方でなんと450～600本。コツメカワウソは、少しユーラシアカワウソに比べて暖かいところに分布し、毛の密度は減るかもしれませんが、スリムに見えてしっかり毛を着こんで体温を保っています。

カワウソは仲間とおしゃべりする

カワウソは鳴き声でコミュニケーションをとる生き物とされています。12種類以上の鳴き声が見つかっているという報告もあります。また、コツメカワウソは群れで生活しており、とても社会性が高い生き物だと言われています。

サンシャイン水族館の飼育員さんも、コツメカワウソが特定の鳴き声を出した時に一カ所に集まる様子を見かけたり、キケンを知らせる声を出したり、日々の行動の場面場面で鳴き声が変わるのを感じているのだとか。ぜひ、鳴き声による仲間とのコミュニケーションにも注目してみてください。

生後間もないコツメカワウソは小爪”じゃない！

コツメカワウソは名前にもあるように爪が小さいのが特徴です。指の上に小さな米粒が乗っているかのような爪の形になっています。

しかし、サンシャイン水族館で赤ちゃんが生まれた際、生まれて間もない頃には前肢の指のサイズに対してしっかりとした長い爪がついていたのだとか。おそらく、体の成長に対して爪の成長が遅いことや、生活の上で削られて小さくなることが“コツメ”になる要因ではないかと考えられています。

コツメカワウソに会える！学べる！おすすめスポット

おたる水族館【北海道】

日本海に面した、北海道の大自然の中にある水族館。北海道の希少動物、日本近海に生息する多種のアザラシ、世界最大級のミズダコ、オヒョウをはじめとする大きな海の生物など、約5000点の生き物が展示されています。

コツメカワウソの展示は、メイン水槽と小水槽に分かれており、２つの水槽は観覧通路の上を通る空中トンネルと、足元を通る水中トンネルでつながれています。空中トンネルからは肉球や足あとを、水中トンネルでは回転しながら生き生きとすばやく泳ぐ様子を間近で見られます。

2024年5月29日（水）には「世界カワウソの日 コツメカワウソ水槽ライブ配信」を予定。コツメカワウソ水槽内に飼育員が入り、エサを与えながらカワウソがおかれている現状などについて解説してもらえるイベントです。

サンシャイン水族館【東京都】

“天空のオアシス”をコンセプトにビルの屋上に位置しながら空・光・水・緑に満ちた自然環境を再現している水族館。生き物を至近距離で楽しめ、間近で生態を観察できる屋外エリア「マリンガーデン」や、温暖で比較的浅い海中・ラグーンをイメージした「サンシャインラグーン」水槽のある屋内展示エリアなどに分かれています。

サンシャイン水族館では現在「いきものディスカバリー」という取り組みを実施中。生き物の自然な姿やスタッフとの関わりを時間・場所をうたわずに紹介するイベントで、コツメカワウソは給餌やトレーニングなどが毎日行われています。

2024年5月17日（金）～29日（水）は「世界カワウソの日」にあわせて、カワウソの生態や特徴を解説したパネル展示のほか、カワウソの体臭を嗅げる「カワウソのニオイクンクンBOX」など体験コンテンツも楽しめます。

また、イベント期間中の土･日限定で、カワウソのイラストなどが描かれた「ShoeZオリジナルエコグッズ」を販売。「ShoeZ」とは生物の多様性を守るための活動をしている団体で、売上金は保護活動団体に寄付されます。詳細は公式HPを確認してください。

市川市動植物園【千葉県】

交流都市から寄贈されたレッサーパンダやオランウータンのほか、小さな動物の展示を中心とし、ゆったりとした時間が流れる「市川市動植物園」。自然観察園にバラ園、ミニ鉄道、ピクニックにぴったりの広場、遊具といった設備も充実し、小さな子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる施設です。

現在飼育中のコツメカワウソは2頭で、小獣エリアにいます。市川市動植物園ならではの展示といえば、通称“流しカワウソ”と言われる塩化ビニール製の筒でできたウォータースライダーのような細い水路です。狭いところを動き回るカワウソの習性を利用したもので、傾斜の角度など改良を重ね、今の形になったのだとか。コツメカワウソが遊んで滑り降りる姿は本当に楽しそうですが、流れてくるかはカワウソの気分次第。寝ている時などはそっと見守りましょう。
　

横浜・八景島シーパラダイス【神奈川県】

テーマの異なる4つの水族館と、さまざまなアトラクション、ショッピングストア、レストラン、ホテルが併設された“海・島・生きもの”のテーマパーク。水族館では700種12万点の生きものを展示しており、多彩なショーやプログラムを楽しめます。

4つの水族館のうちコツメカワウソに会えるのは「アクアミュージアム」と「ふれあいラグーン」。「アクアミュージアム」では陸上の遊び場や水辺でコツメカワウソたちが元気に駆け回ったり、昼寝したりする姿を観察できます。ごはんをあげて手のひらにタッチができるプログラム「コツメカワウソとあくしゅ」も開催されています（1名500円）。

「ふれあいラグーン」ではペンギンやオタリアなどさまざまな動物が登場する「アニマルパフォーマンス」（無料）にコツメカワウソも登場。「コツメカワウソの肩乗りフォト」（1組4名まで1500円）では一緒に写真も撮れますよ。各イベントの詳細は公式HPを確認してください。

下田海中水族館【静岡県】

天然の入江をそのまま利用して海上に浮かぶ、直径20mほどの「アクアドームペリー号」がシンボルとなっている水族館です。黒潮と親潮の影響を受け、深海もせまる伊豆の海を再現した水槽には50種1万点もの生物が生息しています。「アクアドームペリー号」から海に浮く通路を渡っていくと、コツメカワウソが暮らす「ふれあいの森」へ到着します。流木などを備えたエリア内で元気に動き回るコツメカワウソを近くで見られます。タイミング次第で、寝ているところや泳いでいるところなど、さまざまな姿に出会えますよ。

「コツメカワウソ餌やり体験」（毎日10時～、14時～、1回500円）は、壁穴から素手で直接餌をあげられるイベントで、愛らしい手にふれたり記念写真を撮ったりできます。

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ【岐阜県】

“木曽三川・長良川の源流から河口までと世界の淡水魚”をテーマとした淡水魚水族館。約250種類・22000点の生き物や植物を展示し、魚類を中心に水辺の生き物たちが生息する環境を再現、岐阜県と世界の河川環境を楽しく学べます。

コツメカワウソは陸上でじゃれあう姿を4階で、水の中を力強く泳ぐ姿は3階で観察できます。2023年11月に誕生した3頭のコツメカワウソの子どもたちも元気いっぱい！それぞれ岐阜にちなんだ「ゴヘイ」「モナカ」「ホオバ」という名前が付きました。

生き物のくらしや行動について解説してもらえる「ポイントガイド」と共に食事シーンが観察できる「フィーディングウォッチ」は毎日3回実施中。詳細は公式HPを確認してください。

伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス（伊勢シーパラダイス）【三重県】

ショッピングや食事、アクティビティ体験も楽しめる商業施設「伊勢夫婦岩めおと横丁」に併設の水族館。“生き物との距離感ゼロ”がテーマで、柵なしで見られる生き物が多いほか、ふれあいイベントが毎日開催されています。

コツメカワウソに出会えるのは、植物が生い茂る室内展示エリア「トロピカル広場」。毎日夕方に実施されている「コツメカワウソのお食事」では小さな手を器用に使って食事をする様子が楽しめます。また、「トロピカル広場」を抜けた先の「海獣広場」では、日本に5頭しかいない「ツメナシカワウソ」が2頭飼育されており、握手体験もできるのでこちらも注目です。

「世界カワウソの日」に合わせ、特別イベント「カワウソクイズラリー」や特別解説も実施予定。クイズや解説を通してカワウソに関する知識を深められますよ。

海遊館【大阪府】

“すべてのものはつながっている”をコンセプトに、約620種3万点の生き物が飼育展示されている大型水族館。ジンベエザメが泳ぐ「太平洋」水槽を中心に、環太平洋の地域の自然環境を再現しています。

コツメカワウソは、森や渓流の自然環境を表現した「日本の森」水槽で暮らしています。水槽では滝も流れ、絶滅種となってしまったニホンカワウソはかつてこんな環境下で生息していたのかもしれない、と想像してしまうような情景です。水中にはアユが暮らしており、カワウソがアユを追いかけたり、アユが岩陰などに逃げ隠れたりして、それぞれの野生本来の行動を観察できます。

アドベンチャーワールド【和歌山県】

ジャイアントパンダをはじめ、肉食、草食動物が暮らす「サファリワールド」、海の生き物が暮らす「マリンワールド」、小動物類が暮らす「ふれあい広場」など陸、海、空120種1600頭の動物たちと出会えるテーマパークです。

コツメカワウソは小動物のほか、カバやチンパンジー、鳥たちの世界も満喫できる「ふれあい広場」で見られます。ツアー・アトラクション「コツメカワウソの食事タイム」は毎日実施されていて、かわいい顔とギャップのあるワイルドな食事風景は必見です。アドベンチャーワールドのコツメカワウソは主にアジを食べているそうですが、魚をまるまる掴み、頭も尻尾も丈夫な歯でバリバリと噛み砕きます。実施時間は当日のパークガイドを確認してください。

新屋島水族館【香川県】

標高300ｍの屋島山上にある水族館。日本での飼育数が数少ない貴重な動物・アメリカマナティ２頭を飼育しているほか、イルカ・アザラシ・アシカ・カワウソ・ペンギンや色鮮やかな魚類を展示しています。展示の特徴は、ほかの水族館ではあまり見られない変わった形の水槽が多く見られること。親会社がアクリルメーカーのため、その技術を生かした展示が見どころの1つにもなっています。

新屋島水族館のコツメカワウソには、1階の入り口から入り左手に位置するカワウソ水槽で出会えます。現在2頭のコツメカワウソがおり、「カワウソエサやり体験」を毎日実施中。1日３回（平日10時、12時30分、15時、土・日・祝10時、12時5分、15時5分）、ひしゃくでごはんをあげられます。ひしゃくからエサを探って取り出す様子を間近で見られる貴重な体験です。コツメカワウソの小さな爪にも注目してみてください。

まとめ

つぶらな瞳に仕草も愛くるしいコツメカワウソ。得意な泳ぎや昼寝の姿など、どんな場面を見ても楽しい気持ちにさせてくれます。「世界カワウソの日」をきっかけにカワウソの生態や取り巻く環境にも目を向けてみるのもいいですね。ぜひコツメカワウソに会いに足を運んでみてください。

※この記事は2024年5月10日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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