スペイン料理と言えばパエリアにアヒージョ、バスクチーズケーキ…。山々や地中海の恵みをふんだんに使ったメニューが世界中で愛されている伝統料理です。今回は「スペイン料理とは?」という基本情報や代表的な料理などを紹介し、その魅力を探っていきます。
最後に東京のスペインバル4店も紹介します。気になる料理を見つけたら、ランチにディナー、“ちょっと一杯”のおつまみに絶品スパニッシュを満喫しませんか?
●スペイン料理とは
・ユネスコ無形文化遺産に登録された料理
・スペイン料理の特徴や使われている食材は?
●代表的な料理、おすすめ10品の魅力を紹介
・王道の一品「パエリア」
・好きな具材で味わう「アヒージョ」
・スペイン風オムレツ「トルティージャ」
・多種多様な「ピンチョス」
・スペイン生まれの生ハム「ハモンセラーノ」
・冷んやり美味しい「ガスパチョ」
・コリコリ食感のタコ料理「プルポ・ア・ラ・ガジェガ」
・熱々を召し上がれ!ザクっと揚げた「クロケタス」
・マグロの旨味を一皿に凝縮「マルミタコ」
・“焦がし”の風味がたまらない「バスクチーズケーキ」
●東京のおすすめスペインバル4選
・スペイン料理Pablo【中目黒】
・Taberna de Espana FRAGANTE HUMO 恵比寿店
・XIRINGUITO Escribà【渋谷】
・リザラン 三軒茶屋店
スペイン料理とは

スペイン料理とは、ヨーロッパ南西部に位置するイベリア半島の国・スペインで食べられる料理のこと。スペインは地中海、大西洋、カリブ海に囲まれ、陸地には高原地帯が広がることから、新鮮で美味しい海山の幸がそろうことでも知られています。スペイン国内でも地域によって料理に大きな違いがありますが、共通して食材の美味しさをしっかりと堪能できることが大きな魅力となっています。
ユネスコ無形文化遺産に登録された料理

地中海沿岸諸国で食べられる伝統的な“地中海の食事”のひとつ。2010年にはイタリア料理、ギリシャ料理、モロッコ料理と共にユネスコの無形文化遺産に登録され、さらに注目を集めました。
野菜や魚、穀物、ワイン、オリーブオイルなどを多く使用することで知られ、シンプルに味付けされる素材重視の調理法が特徴です。ボリューミーで濃厚な味わいという印象でしたが、実はヘルシーだなんて、たっぷり食べたいディナーやお酒のアテにも最適ですね!
スペイン料理の特徴や使われている食材は?

ニンニクやジャガイモ、トマトなどの野菜、イワシやタラといった魚介類、肉だと牛や羊、豚、鶏が代表的な食材。また、お米やタコなど日本でも馴染み深い食材を使った料理も多いため、日本人の味覚に合うのかもしれませんね。
そして、ほとんどの料理でよく使われているのがオリーブオイルです。代表的なものだとアヒージョ。ほかにもガスパチョ(冷製スープ)の仕上げに、サラダのドレッシングにと、素材の味を引き立てる名脇役として大活躍しています。基本的には調味料は少なめですが、ニンニクやハーブ、スパイスを効かせたもの、仕上げにレモンを絞るなどして塩分控えめな料理もあり、それらは十分な美味しさを出しています。
代表的な料理、おすすめ10品の魅力を紹介
多彩なスペイン料理のなかでも、定番の10品を紹介します。有名なパエリアやアヒージョをはじめ、気軽なピンチョス、人気のスイーツ・バスクチーズケーキまで、今夜は絶品スパニッシュが食べたくなるかもしれません!
王道の一品「パエリア」

スペイン東部のバレンシア州発祥の米料理「パエリア」。魚介類や野菜の出汁で米を炊き、旨味を凝縮させた一品です。日本ではオマール海老やムール貝が乗ったイメージですが、肉類や野菜を乗せたり、イカスミで炊き込んだりするものなど種類は様々。パエリア鍋で作られるとできる、パリパリのお焦げも人気なんだとか。
好きな具材で味わう「アヒージョ」

日本のバルや居酒屋でもよく見かける「アヒージョ」。スペインの首都・マドリードより南の地域でよく食べられる代表的なタパス(小皿料理)のひとつです。オリーブオイルとニンニクを「カスエラ」と呼ばれる陶器で熱し、好みの具材を入れて楽しめる料理。具材は魚介類を中心に野菜や肉類など多種多様で、オリーブオイルに浸したバゲットに乗せるのが定番の食べ方です。
スペイン風オムレツ「トルティージャ」

日本で言うオムレツのこと。「トルティージャ・エスパニョーラ」、または「トルティージャ・デ・パタタス」と呼ばれ、なかでもジャガイモ入りの「トルティージャ」が伝統的なメニューです。
作り方は、塩で味付けした卵にオリーブオイルで揚げ蒸ししたジャガイモや玉ねぎを混ぜ、フライパンで焼き上げるのが一般的。フライパンにオリーブオイルをひき、風味を出すのが本場の調理法。さらに弱火で蒸し焼きにすることで中身の硬さを調整し、好みの食感に仕上げます。
多彩な「ピンチョス」

小さくカットしたバゲットに具材をのせた軽食を「ピンチョス」と呼びます。現地の飲食店や家庭でも前菜として親しまれています。パンにのせる具材に決まりはなく、魚やトルティージャ、生ハムなど多種多様。ひと口サイズで多くの種類を堪能できるのも魅力です。
スペイン生まれの生ハム「ハモンセラーノ」

「ハモンセラーノ」とはスペインで作られる生ハムのこと。世界三大生ハムに数えられるなど高品質な逸品です。白豚の後ろ足を塩漬けし、乾燥させた後に熟成する独特な方法で作られています。肉は歯ごたえがあり、塩っけの効いた味わいが特徴。赤ワインやチーズ、パンとの相性が良く、一緒に食べるのがおすすめです!
ひんやり美味しい「ガスパチョ」

スペイン南部に広がるアンダルシア地方で生まれた「ガスパチョ」。具材をすり潰しピューレ状にした冷製スープのことで、トマトを使った“赤いスープ”が一般的だと言われています。ニンニクやアーモンド、キュウリ、パンを角切りにしたガスパチョなど、お店や家庭で様々なバリエーションが楽しめるのも特徴です。
柔らかな食感のタコ料理「プルポ・ア・ラ・ガジェガ」

スペイン北西部・ガリシア州の伝統料理「プルポ・ア・ラ・ガジェガ」は、国内のバルなどでは定番メニューとして広く知られています。茹でたタコをひと口サイズにカットし、「甘」「辛」の2種類のパプリカパウダーをまぶすのが本場流。最後にオリーブオイルをかけ、風味豊かに仕上げます。しっかりとした味わいでパンのお供に最適です。
熱々を召し上がれ!ザクっと揚げた「クロケタス」

「クロケタス」とはスペイン風コロッケのこと。生ハム・チーズ・タラなどの具材をベシャメルソースに混ぜたものが使われ、種類がとにかく豊富なので、いろんなお店で食べ比べしてみるのも楽しそう!衣は細かく薄めに作ることが多く、サクッとした食感で食べごたえも満点です。
マグロの旨味を一皿に凝縮「マルミタコ」

バスク州などスペイン北部の海沿いで生まれた料理「マルミタコ」。マルミタという鍋を使って調理していたことから名付けられた郷土料理で、マグロやカツオが主役のいわゆる“漁師飯”的存在です。
オリーブオイルで炒めた玉ねぎ、ピーマン、ニンニクに、トマトやジャガイモとスープを加えて煮込み、最後に魚を加えて塩で味付けすれば完成というシンプルな一品ながら、魚の美味しさをダイレクトに感じられるメニューです!マグロの刺身やトマト缶などを用意すれば、家庭でも気軽に作れます。
“焦がし”の風味がたまらない「バスクチーズケーキ」

バスク地方生まれのスイーツ「バスクチーズケーキ」は、日本でも数年前から話題です。バスクの有名レストラン「La Viña(ラ・ビーニャ)」が発祥とされ、現地ではベイクドチーズケーキの一種として愛されています。
ケーキの表面を焦がすことで、クセになるほろ苦さを楽しめるのが最大の魅力。なかはしっとり食感でチーズの濃厚な味わいが広がる珠玉の一品です。
東京のおすすめスペインバル4選
スペイン料理Pablo
中目黒の小さなスペインバルで、世界が認めた絶品パエリアを味わおう


本場スペインで腕を磨いた店主が営む「スペイン料理Pablo(パブロ)」。スペインパエリア協会公認のパエリア師でもある店主が作る「パエリア」が看板メニューです。なかでも2種類を一度に味わえる「ダブルパエリア」がイチオシ!お米をオマール海老や香味野菜などのスープで6時間炊き上げ、素材の旨味をしっかり凝縮するのがこだわりです。


本場スペインのタパス大会で審査員特別賞を受賞した「鮮魚のパリパリ包み揚げマッシュルームソース」や、とりあえずの一品におすすめのピンチョス、評判の「バスクチーズケーキ」など気になるメニューがたくさん!
03-6412-7286
東京都目黒区東山1-6-13 リテーラ中目黒102
【平日】17時~23時【土・日・祝】12時~15時、17時~23時
不定
東京メトロ中目黒駅より徒歩4分
「スペイン料理Pablo」の詳細はこちら
Taberna de Espana FRAGANTE HUMO 恵比寿店
素材の旨味と香りをグンと上げる“薪火”料理と共に、バスク料理を堪能しよう


“薪火料理とスペイン料理の融合”がテーマのスペイン料理店。美食の街・バスクの料理を中心にメニューを構成した、素材本来の美味しさを味わえる“薪火”料理が名物です。ソーセージやステーキなどを大きく燃え上がる薪火で調理することで、炭火にはない芳醇な燻香をまとわせ、食材の旨味をぎゅっと凝縮できるのが魅力。
ほかにもピンチョスやアヒージョ、美味しいものをちょっとずつ味わえるタパスなど、メニューは豊富なラインナップです。ランチ2200円~、ディナー3500円~とリーズナブルなコースもイチオシ!


ワインやサワーなど多彩なアルコールはオール550円とリーズナブル。気軽さも魅力で、女子会にも最適な一軒です。本場の料理と雰囲気でちょっと一杯、満喫しませんか?
03-6277-2671
東京都渋谷区恵比寿1-11-5 GEMS恵比寿5F
【平日】11時30分~15時(LO14時30分)、17時30分~22時30分(LO フード21時30分、ドリンク22時)【土・日・祝】17時~22時(LO フード21時、ドリンク21時30分)
年末年始
JR恵比寿駅より徒歩3分、東京メトロ恵比寿駅より徒歩5分
「Taberna de Espana FRAGANTE HUMO 恵比寿店」の詳細はこちら
XIRINGUITO Escribà
バルセロナの名店の味がココに!自慢のパエリアで本場の旨さを知る

渋谷ストリーム内に店を構えるシーフードレストラン「XIRINGUITO Escribà(チリンギート エスクリバ)」。スペイン・バルセロナで多くの飲食店を展開するジョアン エスクリバ氏がオーナーシェフを務めています。シェフは本場の絶品スペイン料理を作るほか、ショコラティエでもあるため、デザートにも定評があります。


看板メニューはスペイン人の舌をも唸らせる「パエリア」(3080円~)。水分量が少なく堅さが特徴とされるバレンシア米を使用し、本場の味を再現しています。オーブンを使った一般的な調理ではなく、17分間直火で炊き上げることによって米の一粒一粒に魚介や鶏肉、野菜などの旨味が凝縮したスープをしっかり浸透させるのが美味しさの秘密です。
新鮮な魚介を使った「キビナゴ&カラマリのフライ」(1970円)、辛味のあるブラバソースで味わうフライドポテト「パタータスブラバス」(980円)などフードは豊富なラインナップ。またドリンクはワインがメインで、フルーツやハーブを添えたおしゃれ仕様で評判です。
03-5468-6300
東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム3F
11時~23時(LO フード22時、ドリンク22時30分)
なし
JR渋谷駅より徒歩1分
「XIRINGUITO Escribà」の詳細はこちら
リザラン 三軒茶屋店
三茶の人気スパニッシュは、手軽で美味しいピンチョスが主役!



ひと口で味わえる気軽なピンチョス(前菜)をメインにしたスペインバル。ピンチョスはスペイン北部では一般的な料理で、気軽につまめるサイズ感や見た目の鮮やかさでも評判高く、味はもちろん絶品です!
ピンチョスは月替わりで10種類のメニューがあり、なかでもイチオシをそろえた「リザラン名物ピンチョス5種盛り合わせ」がイチオシ。自家製スモークサーモンと2種のタルタル、炭火焼きしたスペイン産ピーマンを使ったムースに相性抜群のイクラと合わせたピンチョスなど、ひとつひとつ珠玉の一品ぞろいです。

ピンチョス以外にも、新鮮な魚介類や厳選肉を使ったフードメニューが豊富にそろっています。特に岩手県南東岸の越喜来湾でとれた濃厚な活ムール貝を使った「活ムール貝の白ワイン蒸し」は人気で、最大Lサイズ(1kg3400円)まで注文できるなどパーティ利用にも最適。ポテトフライと一緒に食べれば、ヨーロッパの定番料理「ムール&フリット」として堪能できますよ。

さらに評判なのが、名店で腕を磨いた総料理長が手がけたスペシャルメイン料理「骨付きラム肉のキャフェドパリ」。上質な一品を980円というバル価格で楽しめる要チェックなメニューです。
03-6413-8681
東京都世田谷区太子堂4-23-11 ジェムズ三軒茶屋2F
【火~金】16時~23時【土・日・祝】12時~23時
月曜(祝日、祝前日の場合は営業)
東急三軒茶屋駅より徒歩1分
「リザラン 三軒茶屋店」の詳細はこちら
まとめ
今回はスペイン料理の魅力や代表料理を紹介しました。世界で愛される伝統料理は、どれも気になるメニューばかりでしたね!
気軽なバルや本格レストランなど東京にあるスペイン料理店で本場の味が存分に楽しめますね。今度のおでかけは気軽なスパニッシュでディナーや飲み会を楽しんでみてはいかがですか?
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※この記事は2022年9月30日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください
※掲載の価格は全て税込価格です
GAKU(J.9)
株式会社J.9(ジェイ.キュー)所属のライター。福岡・東京を拠点に観光情報誌、情報WEBサイトで日本各地のグルメ、イベント情報などを日々発信しています。Twitterで食べたい!行きたい!情報を随時更新中。 @GakuKael(https://twitter.com/GakuKael)、株式会社J.9( http://j9-fukuoka.com/about/)