福島県・白河市は全国的にも知られるラーメンの聖地で、市内には約100軒以上のラーメン店があります。そんな白河市発祥の「白河ラーメン」の特徴とおすすめのお店を紹介。白河市だけでなく近隣の市町村や栃木県のお店も登場するのであわせてチェックしてくださいね。
白河ラーメンとは?
鶏ガラベースの、醤油際立つすっきりラーメン!

福島県の南部に位置する白河市。その白河市を発祥とする「白河ラーメン」は、1950年代半ばに市内の食堂や屋台で提供されたラーメンが原型です。鶏ガラ、豚骨、野菜などをベースにした醤油スープと平打ちちぢれ麺が特徴で、長年地元の人々を中心に愛されてきました。徐々に観光客やラーメン愛好家にも知られるようになり、今ではすっかり白河市の名物となっています。地元の食材を使用したラーメンや伝統の味を守り続けるラーメンなど、それぞれのお店でこだわりの味を堪能できるのも魅力です。
同じく福島県喜多方市の「喜多方ラーメン」もご当地ラーメンとしてよく知られていますが、こちらはコシと独特のちぢれがある熟成多加水麺を使用。ひと括りにラーメンといっても個性があるので、食べ比べても楽しい福島県のご当地グルメになっています。
【JR白河駅より車で4分】白河中華そば 英
鶏の旨みがじわっと広がる清湯スープ



「白河中華そば 英(はなぶさ)」は、白河市内の中心部、旧奥羽街道沿いにあるラーメン店。1987年創業で、カウンター越しには店主の熟練した麺捌きを見ることができます。
自慢の麺は、毎朝4時から仕込むという自家製多加水のちぢれ麺。スープは、伊達鶏をメインに数種の鶏ガラと丸鶏を使った澄んだダシと、地元醤油蔵の生上げ醤油と複数の醤油をブレンドしたカエシ(醤油ダレ)をあわせます。ひと口すすればツルツルモチモチとした麺の食感とともにキレのある醤油スープの奥深さを味わえます。手づくりのチャーシューがのった定番の「ラーメン」や、店内仕込みのワンタンがのる「チャーシューワンタンメン」など、どのメニューもオーソドックスながらこだわりの具がのるのもファンを惹きつける要因のひとつ。
比較的混雑を避けられるのは水曜日。ただし第3水曜日は定休日なので注意しましょう。
0248-22-1250
福島県白河市二番町6
11時~15時、17時~20時(LO19時30分)※材料が無くなり次第終了
木、第3水
【電車】JR 白河駅より徒歩19分 【車】東北道白河中央スマートICより10分
19台(無料)
「白河中華そば 英」の詳細はこちら
【JR白河駅より車で6分】手打中華 かこい食堂
“朝ラー”あり!極薄トロトロワンタンは必食




2016年にオープンした「手打中華 かこい食堂」。比較的新しいお店ですが、白河ラーメン激戦区の国道289号線沿いで行列のできるお店として知られています。
かこい食堂で味わうならまずは「ワンタン麺」がおすすめ。澄んだ醤油ラーメンにトッピングされたワンタンはツヤツヤと輝き、皮はまるで絹のように極薄。食感があまりになめらかでチュルリとしていることに驚く人も多いのだそう。鶏ガラスープの旨み、細めながらコシのある麺と相まって、バランスの良い一杯に仕上がっています。また「ごまラーメン」もぜひ味わって欲しい一品。ごまの風味が際立ちながら、あっさりとした白河ラーメンらしい味わいにまとまっています。
朝早くから営業していて、“朝ラー”を楽しめるのも嬉しいポイント。行列ができやすい早朝は、開店前に店頭のウェイティングボードに記名して名前を呼ばれるのを待ちましょう。
0248-24-7380
福島県白河市鬼越45-5
7時~9時(月曜の朝営業は休み)、11時~14時
木、金
東北道白河中央スマートICより車で10分
12台(無料)
「手打中華 かこい食堂」の詳細はこちら
【JR白河駅より車で8分】手打中華 すずき
キレのある醤油スープは“The白河ラーメン”


「手打中華 すずき」のご主人は、白河ラーメンの老舗「手打中華そば とら食堂」の先代のもとで修業し独立。1972年の創業以来、白河を代表するお店のひとつとして王道の白河ラーメンを提供し続けています。
スープは鶏ガラをベースにしたキレのある醤油味。あっさりしているものの鶏油のコクがあり、カエシの酸味も見え隠れする醤油際立つ仕上がりです。自家製麺は平打ちの多加水麺。ツルツルモチモチで小麦の旨みも感じさせながら、適度にスープが絡みつきます。オーソドックスな「手打中華」のほか、大きめのチャーシューが丼を覆う「手打チャーシューメン」(1300円)もインパクト大なおすすめメニューです。
平日、週末に関わらず、地元客はもちろん遠方のラーメンファンで行列ができるお店なので、時間に余裕をもって訪れましょう。
0248-22-3392
福島県白河市瀬戸原4-9
11時30分~15時(LO14時30分)※材料が無くなり次第終了
火、水※その他臨時休業あり
東北道白河中央スマートICより車で9分
20台(無料)
「手打中華 すずき」の詳細はこちら
【JR白河駅より車で8分】手打ラーメン 一休
創業40年以上、手打ちの伝統をひたむきに守り続ける店


手打ちで麺を製造するお店が白河市内でも減っているなか、「手打ラーメン 一休」は、今なお手打ち麺にこだわってラーメンを作り続けるお店です。
ツルリとした食感のちぢれ麺が特徴の一休の「醤油ラーメン」。麺に絡むのは、鶏ガラと豚ガラでとったシンプルな醤油スープ。塩分を控え、余計な旨み成分を取り除いたすっきりとした味わいで、香り高い醤油のキレはもちろん、手打ち麺の小麦の香りもしっかりと堪能できます。
香ばしい「チャーハン」(650円)や薄皮の「ギョーザ」(350円)など、ラーメン以外にも食欲をそそるメニューがラインナップ。丁寧に作り込まれたラーメンと一緒にいろいろ味わってみたくなるアットホームなお店です。
0248-27-0626
福島県白河市泉田池ノ下89
11時~※材料が無くなり次第終了
水、第3木
東北道白河中央スマートICより車で5分
15台(無料)
「手打ラーメン 一休」の詳細はこちら
【JR白河駅より車で9分】手打中華そば とら食堂
1969年創業、まずは訪れたい白河ラーメンの老舗


全国には“とら系”を冠するラーメン店は数多くあります。それらのお店で提供されるのは、自家製の手打ち麺、キレのある醤油タレ、炭火で燻製したチャーシューを特徴とするいわゆる白河ラーメン。その総本山とされるのがここ「手打中華そば とら食堂」です。
とら食堂の「手打ち中華そば」は、白河ラーメンを語るうえで一度は味わっておきたい一品。スープは、あっさりとしながら、手打ちの麺とともにすすれば、丸鶏、鶏ガラ、豚ガラで抽出したダシの旨みがしっかりと口いっぱいに広がっていきます。化学調味料不使用で手間暇かけ作り上げているので、滋味深くほっとする味わいです。
数時間待ちが日常のお店のため、開店前に受付をしておくことをおすすめします。開店時間を迎える頃には100人近くが待っていることもあるので、なるべく早めに訪れるようにしましょう。
0248-22-3426
福島県白河市双石滝ノ尻1
11時~14時30分、16時~18時※材料が無くなり次第終了
月※その他臨時休業あり
東北道白河中央スマートICより車で15分
50台(無料)
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【JR白河駅より車で16分】手打中華 やたべ
鶏ガラサービスが名物!鶏の力強さを感じる絶品スープ


「手打中華 やたべ」のラーメンは、力強くコクのある鶏ガラのスープが特徴。上品な鶏ガラの旨みを味わう“とら系”に対し、“やたべ系”とも呼ばれています。
定番の「チャーシューメン」は、ホウレン草、ナルト、海苔、そしてチャーシューがのったオーソドックスな見た目。澄んだスープからは鶏ガラの香りがしっかりと立ち上り、旨みが凝縮していることが分かります。麺は手打ちのちぢれ麺。なめらかな舌触りで、スープの絡みがよく、鶏のコクを存分に味わうことができます。
やたべでは、スープ用に煮込んだ鶏ガラを醤油で味付けして、食前のサービスとして提供。骨まで柔らかく、ラーメンを待つ間のつまみにぴったりです。
市街地からはやや離れていますが、こちらも客足の絶えないお店。スープが完売すれば閉店時間前に店を閉めるので、早めに訪れるようにしましょう。
0248-32-2007
福島県白河市旗宿広表74-1
11時~18時※材料が無くなり次第終了
木(祝日の場合は翌日休)
東北道白河ICより車で18分
15台(無料)
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【JR鏡石駅より徒歩11分】白河手打らーめん うさぎ
会津地鶏と名古屋コーチンを使った濃厚スープ


白河市から北に約20km、白河市と郡山市の中間地点に位置する鏡石町に「白河手打らーめん うさぎ」はあります。このお店は「手打中華 すずき」の姉妹店。すずきからアドバイスを受け、さらに改良を重ねた白河ラーメンを味わうことができます。
おすすめは肩ロースの炭火焼チャーシューをトッピングした「特製中華」。塩分を控えたあっさりスープながら、名古屋コーチンと会津地鶏でとった濃厚かつコクのあるダシがしっかりときいています。手打ちならではの不揃い感のある麺は、小麦のおいしさを堪能でき、モチモチとした食感。厚みのあるスープの旨みをしっかりと受け止めてくれます。
14時頃にはスープ切れで閉店してしまうことも日常茶飯事。余裕をもってお昼前に来店するといいですよ。
0248-62-6777
福島県岩瀬郡鏡石町中町56-5
11時~14時頃※材料が無くなり次第終了
月
【電車】JR 鏡石駅より徒歩11分 【車】東北道鏡石スマートICより3分
30台(無料)
「白河手打らーめん うさぎ」の詳細はこちら
【JR黒磯駅より車で7分】手打 焔
那須塩原でも白河ラーメン!ザラつきのある表情豊かな麺を堪能

白河市の行列店「火風鼎(かふうてい)」の息子さんが栃木県の那須塩原市で営む「手打 焔(ほむら)」。昨今、各種メディアに取りあげられる注目のお店です。
特徴的なのは自家製の手打ち麺。手打ち麺らしいモチモチとした食感ながら、ザラザラボコボコしているという表情豊かな麺。麺自体のおいしさもさることながら、鶏の旨みに溢れたスープとの調和が秀逸です。焔のスープの製法は3通りありますが、「手打チャーシューワンタンメン」の醤油スープは鶏と豚を8:2で使用。7時間、温度調整をしながら炊くスープは、鶏の力強さが際立った仕上がり。スモーキーなチャーシューやツルリとしたワンタン、そして個性派麺を芸術的なバランスでまとめあげています。
行列ができるお店ですが、営業時間が長めなので、比較的空いている時間を狙いましょう。お昼前、または午後2時以降が早めに入店できることが多いそうです。
0287-63-4010
栃木県那須塩原市上厚崎374-2
11時~15時頃※材料が無くなり次第終了
火
東北道那須ICより車で12分
20台(無料)
「手打 焔」の詳細はこちら
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【JR氏家駅より車で9分】手打ラーメン みうら
芳醇な鶏醤油清湯スープが力強い!宇都宮で食べる白河ラーメン


「手打中華そば とら食堂」の孫弟子にあたる「手打ラーメン みうら」。こぢんまりとしたアットホームな店内で味わえるのは、“これぞ白河ラーメン”といったビジュアルの醤油ラーメンです。
ダシは福島県産の伊達鶏と栃木県産の豚を中心に、野菜と合わせて3時間以上煮込むのだそう。カエシと相まって力強いスープにできあがっています。2種類の小麦粉をブレンドした手打ち麺はコシの強い歯応えがあるタイプ。白河ラーメンらしい素朴さと、インパクトを兼ね備えた一杯になっています。
「ワンタン麺」のほか、「塩ラーメン」(850円)や「味噌ラーメン」(800円)もあります。またニンニクがきいた「餃子」もファンの多いメニュー。ぜひいろいろオーダーして老舗の味を楽しんでくださいね。
ランチタイムは行列になることが多いので、お昼時を避けて訪れるのがおすすめです。
028-674-4551
栃木県宇都宮市下小倉946-2
11時~19時※材料が無くなり次第終了
金
東北道上河内スマートICより車で8分
12台(無料)
「手打ラーメン みうら」の詳細はこちら
まとめ
行列必至のお店が多い白河ラーメン。一見、スタンダードな醤油ラーメンといった佇まいですが、その実、スープや麺、カエシ、そして具とすべてに各店のこだわりが見られます。混雑しにくい時間の情報も参考にして、さまざまなお店の味を楽しんでくださいね。
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※この記事は2023年7月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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星 マチコ
東北・宮城県在住のライター、兼2人の子どもの母。見て、聞いて、触れて、温度感のある観光情報を発信中。雪山が好き。休日はマニアックで美しい絶景を求め、東北をあっちこっちさまよっている。