東京都内の色々なブックカフェを紹介します。お店ごとのコンセプトや、利用スタイルも解説しています。
ブックカフェと一言で言っても、共通項は「食べ物や飲み物があって、本が読めること」だけ。気に入った本を購入できるお店もあれば、閲覧だけのカフェもあるし、新刊のみの場合も、古書店の場合もあります。
この記事では、店主やオーナーの思いがギュッと詰まったさまざまなお店を紹介。自分の思いに合ったブックカフェを見つけてくださいね。
【池袋】本と珈琲 梟書茶房
運命の本に出会えるかも?池袋駅に直結した知の探索ゾーン

「本と珈琲 梟書茶房(ふくろうしょさぼう)」は、池袋駅に直結したブックカフェ。ドトールコーヒーと、神楽坂の書店「かもめブックス」を作った出版人・柳下恭平氏がタッグを組んで生み出した店です。

ゆったりしたラウンジや、図書館をイメージした机のあるエリアなどいくつかのコーナーがあり、好きな場所で柳下氏がセレクトした約1000冊の書籍を読めます。


特徴的なのが、題名や装丁を隠された1231種の本が並ぶ販売コーナー「ふくろう文庫」。
中身を知る手がかりは、ちょっとした推薦文と値段、そして「次に読むならオススメはこれ」という他書とのリンク性のみ。ピンときた1冊が運命の出会いになるかもしれませんよ。


ドリンクや食事はスマートフォンで二次元コードから注文するスタイルで、コーヒーはここでしか飲めないオリジナルブレンド。テーマごとにそれぞれおすすめの本とブレンドがセットになった「本と珈琲のセット」も、知的好奇心をかき立てられますね。
東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola(エソラ)池袋4階
10時30分~22時(LO21時30分)
Esola池袋ビルに準ずる
池袋駅より徒歩1分
「本と珈琲 梟書茶房」の詳細はこちら
(画像提供:株式会社ドトールコーヒー)
【渋谷】森の図書室
おしゃべりもOK。本にぐるりと囲まれる図書室カフェ

渋谷駅から1分の「森の図書室」は、“飲んだり、食べたり、おしゃべりができる図書室”がコンセプト。大人でも気軽に立ち寄れる図書館を作りたいという思いから生まれたブックカフェで、直木賞や本屋大賞を受賞したベストセラーも多く蔵書しています。
料金体系は時間ごとのフリードリンク制で、カクテルやワインなどが飲める「フリーアルコールプラン」もあります。無線LAN、電源も利用可能。


フードは別料金でオーダーでき、物語にちなんだメニューが個性的。絵本「ぐりとぐら」に登場するカステラや、映画「天空の城ラピュタ」に出てくるラピュタトーストなどが味わえます。食べ物を通しても物語の世界に没入できそうですね。
東京都渋谷区宇田川町23-3 渋谷第一勧銀共同ビル8階
9時~22時45分(LO22時15分)
不定
フリードリンクプラン【1時間】1100円【3時間】2200円【1日】3300円、フリーアルコールプラン【1時間】1650円【3時間】3300円【1日】4400円、ソファ席はプラス550円
渋谷駅より徒歩1分
「森の図書室」の詳細はこちら
(画像提供:森の図書室)
【渋谷】Flying Books
海外ビンテージ雑誌や絶版写真集も揃う古書店

渋谷ハチ公前から徒歩1分、雑居ビルが並び飲食店などがひしめく通りにある古書店「渋谷古書センター」。その2階にあるのが「Flying Books」です。
海外の雑誌や絵本、写真集、グラフィック・デザイン、アートといった国内外のマニアックな古書が並び、中にはかなりレアな書籍もあります。

本探しの合間には、4席あるカウンターでコーヒーなどのカフェメニューや、グラスワインといったアルコールドリンクが楽しめます。
コーヒーは、オーダーを受けてから豆を挽いてハンドドリップ。店内に流れるジャズを聞きながらリフレッシュできそう。古書の世界に浸りながら、レアな書籍を発見するのは大きな楽しみですね。
(画像提供:Flying Books)
【渋谷】うのまち珈琲店 西武渋谷店
しおりを通して、同じ本が好きな人と思いを共有できる


渋谷駅から徒歩3分。西武渋谷店のA館地下2階にある「うのまち珈琲店」は、約1000冊の本を自由に閲覧でき、購入も可能なブックカフェです。

特徴的なのは1冊ごとにスタッフの推薦文が付いていることと、読んだ本にオリジナルのしおりを挟めることです。しおりは一定期間、そのままにしておいてくれるそうなので、感想やメッセージを書いておくと、同じ本を手に取った人とのつながりも感じられるかもしれませんね。

利用方法はワンドリンクオーダー制で、席料は不要。メニューはパフェやラッシーなど、色鮮やかで写真映えするものが揃っています。通年メニューのほか、季節限定ドリンクもあります。
店内は電源も利用でき、無線LANも通っているので、読書のほかパソコン作業などにもおすすめです。
(画像提供:うのまち珈琲店 西武渋谷店)
【渋谷】天狼院カフェ SHIBUYA
本とその先の「体験」まで提供するブックカフェ

「天狼院カフェ SHIBUYA」は、渋谷の「MIYASHITA PARK」3階にあるブックカフェです。

書籍のタイトルを隠している「秘本」や、人が読んだ軌跡まで楽しめる「読継本」など、他の書店では見られない、ただ読むだけでは終わらないといった体験ができる本が並んでいます。

天狼院書店は、“お客様の「人生を変える」書店”をコンセプトに携え、有益な情報を、最適な形で提供しようと活動している書店。
「人が写真本のコーナーに行くときは、本そのものではなく、“写真がうまくなる自分”がほしいのだ」といった思いのもと、本を売るだけに留まらず、読書会や部活、ゼミなどのイベント、演劇や映画まで積極的に手がけています。
たくさんの活動があるので、ぜひ公式ホームページをチェックしてみてくださいね。

カフェは本を読まずに普通のカフェとしても利用可能。無線LANも通っていて、窓際席には電源もあります。

天狼院スタッフが元彼を落とすためにレシピを研究したというストーリー性を持つ「バターチキンカレー」はおすすめメニューの1つ。本1冊、メニュー1つごとに新しい価値観に出会えそうなブックカフェですね。
東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South3階
11時~21時
不定
渋谷駅より徒歩3分
「天狼院カフェ SHIBUYA」の詳細はこちら
(画像提供:天狼院書店)
【代官山】Anjin
3万冊のビンテージマガジンが飾る書店内ラウンジ

「Anjin」は、蔦屋書店を核とした文化複合施設「代官山T-SITE」の中にあるカフェラウンジです。ドリンクや食事を楽しみながら、約3万冊ものビンテージマガジンやアートを閲覧することができます。
「平凡パンチ」「太陽」など懐かしい雑誌や、「domus」「VOGUE」など海外の貴重な古い雑誌が壁一面に飾られていて、基本閲覧のみですが中には購入できるものもあります。また、1階の蔦屋書店の本をここでゆっくり読んでから購入するかどうか決めてもOKです。

テーブル席とソファ席があり、テーブル席は無料。ソファ席は550円または880円のテーブルチャージで利用できます。※ソファ席のみ混雑時は2時間制


フードやドリンクのメニューも豊富で、ランチからディナー、軽食やスイーツまでオーダーできます。


バーカウンターではビールやカクテルなどのお酒も提供しています。ゆっくりと上質な時間が過ごせそうですね。
東京都渋谷区猿楽町17-5 代官山蔦屋書店 2号館 2階
11時~22時(LO21時)
元日のみ
席料【テーブル席】無料【ソファ席】550~880円
代官山駅より徒歩5分
「Anjin」の詳細はこちら
(画像提供:代官山T-SITE)
【恵比寿】写真集食堂 めぐたま
写真集が6666冊!体にやさしいご飯が魅力の食堂

恵比寿にある「写真集食堂 めぐたま」は、一言で紹介すると“6666冊もの写真集がある食堂”です。ブックカフェというより、フォトブック・ダイナーと呼ぶ方が近いかも。
写真評論家の飯沢耕太郎氏が40年以上かけて集めた蔵書が、木の香りが漂いそうな店内に、ところ狭しとならんでいます。19世紀から現代まで、写真の歴史をたどる読書体験ができるはず。貴重なものも多いので、丁寧に扱いましょう。

料理はお昼・カフェ・夜ご飯と、時間帯ごとにメニューが変わります。野菜たっぷりで体に優しい「季節の一汁三菜ランチ」や、オイルを一切使わないで焼き上げる「村井弦斎レシピ 糠(ぬか)ケーキ」(880円)など、バラエティ豊かな料理がいっぱい。

夜ご飯(17時~)では、「季節の晩ご飯」(2310円)、「一汁五菜 晩ごはん」(2860円)などのセットのほか、井原西鶴や近藤勇も好んで食べていたという江戸名物「たまごふわふわ」などの一品料理もおすすめ。店オリジナルの純米酒「めぐたま」などもあり、写真集を眺めながら、お酒を飲んでゆっくり過ごすのもいいですね。
(画像提供:写真集食堂 めぐたま)
【六本木】文喫 六本木
本を通して文化を喫する、入場料のある本屋

六本木駅から徒歩1分の「文喫(ぶんきつ)六本木」は、一言で言えば入場料のある書店。人文・社会・自然科学の本から、デザイン・アートに至るまで約3万冊を販売しています。
コンセプトは“本と出会うための本屋”。店内には閲覧室や、複数人で利用できる研究室、喫茶室を併設しています。

利用方法は、入口から少し進んだ総合受付で料金を払い、バッジを身に付けて有料エリアに入場します。
入口から総合案内までの空間は無料エリア・展示室になっており、本との出会いにつながるような、さまざまなテーマの企画展が行われています。フラッと覗けば新しい一冊に出会えるかも。

有料エリア内の飲食受付でもらえるコーヒーと煎茶はおかわり自由。ドリンク片手に、じっくり本を選ぶ時間を満喫してくださいね。


喫茶室では、カフェラテ440円や、自家製ミックスベリーソーダ638円などのほか、お酒類も販売しています。ドリンクは一部のビールを除きテイクアウトも可能。
18時から21時までは「夜の文喫」と称して、メニューをがらりと変えて営業を行っています。食べきりサイズのピザを中心とした軽食・デザートや、カクテルなどのドリンクが登場し、軽めの夕食やちょい飲みにもピッタリ。18時以降入店の場合は1320円の入場料で利用可能です。
東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1階
9時~21時(LO20時30分)
不定
入場料【平日】1650円【土・日・祝】2530円【夜の文喫(18時~21時)】1320円※18時以前入店の場合は延長料金なし
六本木駅より徒歩1分
「文喫 六本木」の詳細はこちら
(画像提供:文喫)
【霞が関】日比谷図書文化館
図書館内にある、便利なカフェとレストラン


日比谷公園の一角にある「日比谷図書文化館」は、三角形の建物が特徴的な、図書館とミュージアムの機能を備えた複合文化施設です。
図書館1階には、カフェ「ライブラリーショップ&カフェ日比谷」が入っていて、一部を除き、図書フロアの本を貸出手続きなしで持ち込んで読めます。コーヒー(363円~)やカフェラテ(407円~)、ケーキ各種(594円~)などを注文でき、電源や無線LANも利用可能です。

また、地下1階にはレストラン「ライブラリーダイニング日比谷」もあり、こちらも本を持ち込んで食事しながら読書が可能。パスタ各種(880円~)などが味わえ、日替わりのお弁当(858円~)はテイクアウトもOKですよ。
東京都千代田区日比谷公園1-4
カフェ【平日】10時~19時【土・日・祝】10時~17時、ダイニング【平日】11時~21時30分【土】11時~19時【日・祝】11時~17時(LO食事1時間前、ドリンク30分前)※変更の場合あり。詳細は公式ホームページを要確認
第3月曜、12月29日~1月3日、特別整理期間
内幸町駅より徒歩3分/霞ヶ関駅より徒歩3分
「日比谷図書文化館」の詳細はこちら
(画像提供:千代田区立日比谷図書文化館)
【下北沢】本の読める店 fuzkue 下北沢
静かに読書することに特化したブックカフェ


「本の読める店 fuzkue(フヅクエ)」は、読書して過ごすことに“全振り”した喫茶店。2014年に最初にオープンした初台のほか、下北沢、西荻窪の3店があります。

静かに本を読んで過ごす人たちのための場所でありたい…という店主の思いから、紆余曲折を経て、現在はおしゃべりやパソコン作業は原則NG。穏やかな空気が流れていて、読書に没頭したい人にぴったりです。
本は、自分で持ち込んでも、店内の本を読んでもOK。下北沢の店には同じ建物内に書店も入っています。

料金体系は独特のシステムになっていて、長く過ごしたり、ドリンクや食事のオーダー数が多いと席料が減っていくようになっています。時間制限などはなく、オーダーなしで席料だけで過ごしても構いません。
コーヒー1杯だけでも、ある程度飲食しても、だいたい2000円前後に落ち着く人が多いとか。詳しい仕組みは公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
東京都世田谷区代田2-36-14 BONUS TRACK内
12時~22時
なし
【席料】1650円※詳細は公式ホームページを要確認
下北沢駅より徒歩6分
「本の読める店 fuzkue 下北沢」の詳細はこちら
(画像提供:本の読める店 fuzkue)
※この記事は2025年2月10日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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ミキティ山田
旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。