8.函館 異国情緒溢れる街でぶらり、歴史建築巡り。

函館の街が素晴らしいのは、歴史ある建物が今も人々の暮らしの中にあることです。伝統的建造物群保存地区を中心に、函館山麓に広がる西部地区では、明治~昭和初期の民家がそのまま生活の場として生き続けています。時代の流れの中で主を失う建物もありますが、カフェやレストランなどに改装されて息吹を取り戻すものもあります。そこでは住人でなくとも、情緒豊かな空間をゆったり味わい尽くせます。
今回のランチは、築90年の洋風建築を生かした「レストラン唐草館」へ。店内では、洒脱な格子窓から注ぐ柔らかな光が心地よいです。滋味豊かな函館フレンチに満たされ、口福の時を過ごしました。




玉ねぎ形の小ドームを屋根にのせた「函館ハリストス正教会」。壮麗ながらどこか愛らしい佇まいに魅かれ、入口の扉を開くと、ほの暗い祈りの空間が広がっていました。正面には、壁一面の聖像と黄金に輝くシャンデリア。正方形の堂内を包み込む丸天井は、ロシア風ビザンチン様式の特徴だといいます。このエキゾチックな空間が百年を超える昔からここにあるという事実に、ささやかな感動を覚えます。
函館は貿易港として、日本でもいち早く世界に門戸を開いた街です。幕末から明治期には各国の領事館や教会、外国人商人の洋風住宅が続々と建てられ、やがて商店や民家でも和洋折衷の建築がブームになりました。当時の建物が今も数多く残り、異国情緒漂う美しい街並みを形成しています。それら歴史的建造物を巡り、文明開化の華やぎを感じてみたいと、この旅を計画したのでした。
元町エリアを歩けば、贅を尽くした和洋折衷の邸宅やモダンなデパート建築に残る手動式エレベーターなど、ハイカラ文化の残り香がそこかしこに。優雅な意匠を愛でながら、しばしの時間旅行気分を楽しみました。










夕刻に訪れたのは「ティーショップ夕日」です。明治時代に検疫所として造られた建物は、素朴な内装がノスタルジーをかき立てます。窓辺の席に腰かけて、煎茶を一口。濃厚な茶葉の旨みが口中に広がり、思わずうっとり目を閉じます。余韻を噛み締めて瞼を上げると、眼前の水平線に夕日の彩りが。金色に染まる海と空をこの建物はどれだけ眺めてきたのでしょう。長い歳月に思いを馳せて、港町の日暮れを見送りました。




函館 1泊2日モデルプラン
〈1日目〉
函館空港
↓シャトルバスと市電、徒歩で40分
レストラン唐草館
↓徒歩で15分
函館市地域交流まちづくりセンター
↓徒歩で10分
函館ハリストス正教会
↓徒歩で5分
旧相馬邸
↓徒歩で2分
函館市旧イギリス領事館
↓徒歩と市電で25分
ティーショップ夕日
↓徒歩とバス、ロープウェイで40分
函館山山頂展望台
↓
宿へ
〈2日目〉
味処 きくよ食堂 本店
函館へのアクセス
車:函館空港より函館市街地まで車で20分
バス:函館空港より函館駅前までシャトルバスで20分
函館のまわり方
函館の街を観光するなら、主要観光スポットをほぼ網羅している市電(路面電車)が便利。日中は6~12分間隔で運行している。元町エリアの歴史的建造物は徒歩でまわれる距離に点在。
北海道の春夏旅 お役立ちインフォメーション

今回ご紹介した8エリアをひとつずつピンポイントで訪れたり、複数のエリアを組み合わせてめぐったり…。旅の楽しみ方はもちろん自由自在です!そんな大人の北海道旅をより快適に、楽しく過ごすためのお役立ち情報をご案内します。
POINT.1 北海道の春夏旅はいつもの服装+1枚が基本!

春夏とはいえ、北海道は涼しいです。たとえば4月~5月の札幌の平均気温は10℃前後で、最も暑い8月でも22℃ほどです。もちろん札幌よりも涼しいエリアもあるので、快適に旅するなら、いつもの服装+1枚を心がけましょう。4月~6月ごろなら薄手のコートがあれば安心ですし、7月~9月ならカーディガンなどを準備しておきましょう。
POINT.2 北海道はレンタカーが便利 でも、運転には十分注意を!
札幌や函館などの都市部なら公共交通機関を使った観光も可能ですが、その他のエリアを訪れたり、複数のエリアをめぐるならやっぱりレンタカーが便利です。北海道は比較的レンタカーが安く、車種も豊富なので事前に予約しましょう。真っ直ぐな一本道が続く北海道では、スピードの出しすぎや動物の飛び出しなどに十分にご注意を。
POINT.3 春夏の北海道では各地のお祭りも要チェック!
春夏の北海道旅をさらに楽しむなら、各地で開催されるお祭りも要チェックです!たとえば富良野エリアでは例年7月中旬に「なかふらのラベンダーまつり」が開催され、ラベンダー畑と花火の共演を楽しめるイベントがあります。また、札幌では例年7月下旬~8月半ばにかけて「さっぽろ夏まつり」が行われ、大規模なビアガーデンなどが登場します。
※この記事は2019年2月時点での情報です
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じゃらん編集部
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