その真っ赤なつけダレは、激辛の炎か燃える赤ヘルか。
昭和20年代から存在し、今も激辛マニアから愛され続けるご当地B級グルメ「広島つけ麺」。
「広島つけ麺」の名店たちを、地元に住むライターがご紹介します。
全てのお店を事前に覆面実食。辛~いつけダレで唇を真っ赤にしつつ厳選した、自信を持っておすすめできるラインナップです!
広島つけ麺とは?

冷たく締められた麺に、たっぷりと盛られた茹で野菜、そして辛味成分で真っ赤なつけダレ。これが広島つけ麺の特徴です。
発祥は、昭和29年創業の某冷麺専門店。そのお店は今も取材一切NGのガンコなお店ながら、多くのファンを生み出してきました。
当初はただ「冷麺」と呼ばれていたのが、80年代中ごろから「広島つけ麺」と呼ばれ始め、2000年代には芸能人の発信などでブームに。
汗が噴き出るほどの辛さながら、つけダレそのものは醤油ベースのあっさり目で酸味が少ないのも特徴。野菜が豊富で意外とローカロリーです。
広島つけ麺の名店
冷めん家
もっとも広島つけ麺らしい伝統の味。立ち寄りやすい雰囲気も良し

1985年開店、広島つけ麺店としては2番目に古いお店が冷めん家です。かつては3~10月の季節限定メニューだった冷麺を、通年提供し始めたのもここが最初です。
麺は、コシと喉越しを追求した冷めん家オリジナルのもの。ツルッと味わえば、一口ごとに辛さが全身を活性化させてくれるような快感!
そこにシャキシャキ野菜の歯応えが爽やかなアクセントに。常連さんか初めての人かなど、お客さんに合わせて微妙に辛さも調整しているとか。
創業店の十日市店もさることながら、女子旅におすすめなのは2017年10月にオープンした大手町店。十日市店で8年修業した二代目がお店を切り盛りしています。
広島平和記念公園にも近く、最近は外国人観光客の人たちもよくテーブルを囲んでいます。


【大手町店】広島県広島市中区大手町2-4-6【十日市店】広島県広島市中区十日市町2-9-22
【大手町店】11時~14時、18時~21時【十日市店】11時~14時、17時~19時 ※LOは全て10分前
日曜、祝日(両店舗共通)
【大手町店】広電市内線(路面電車)本通電停より徒歩3分【十日市店】広電十日市町電停より徒歩2分
「冷めん家」の詳細はこちら
わかば亭
100倍をクリアした猛者たちの名がズラリ!平日ランチが狙い目

店内には「祝・辛さ100倍達成」の誇らしげな張り紙が壁にも天井にもびっしり!ひしめくカープグッズからはあふれるカープ愛も感じられ、ディープな広島の雰囲気がひしひしと伝わってきます。
つけ麺は小で1玉、中で1玉半。辛さは3倍をスタンダードに、0倍から100倍まで選べます。
キャベツはしっかりと水が切られ、キュッキュという心地良い歯応え。そして麺を味わうと、つけ汁の濃厚な旨味が麺の風味とマッチして、強い辛さがまろやかに感じられる絶妙なハーモニー!
「お昼はワンコインでも食べられるように」という女性店主の心遣いから、月~土のランチ時間帯は200円引き、小は300円引きの500円! これは超絶うれしいポイント。


広島県広島市中区大手町5-5-10
11時30分~15時、18時~23時
不定休
広電市内線鷹野橋電停より徒歩2分
ひまわり
その味のファンは全国区。知る人ぞ知る穴場店

店内に一歩入れば、超大物野球選手や有名人の記念写真がいっぱい。ビジネス・官庁街に近く、ランチ時はサラリーマンで賑わうこのお店は、たくさんの根強いファンを持つ穴場店です。
「食べる人の健康を考えて」と、プチトマトなど多種の野菜を添えるのは他店にはない特徴。特にタマネギは肉との食べ合わせを考えてのことだとか。
さらに、つけダレが圧倒的に濃厚!旨味成分がギッシリ詰まっていて、辛さをまろやかに包み込むような味わいです。
夜は、予約制の黒毛和牛焼肉コースで貸切営業になることも。もしかすると、肉の扱いに長けているのがタレのおいしさの秘密かも?


麺匠 やま虎
広島つけ麺界のニューウェーブ!?ガツンと来る二郎系のパワフルな美味さ

2019年6月にオープンしたばかりのラーメン・つけ麺のお店です。ラーメンには山盛りモヤシとがっつりチャーシュー!そう、ここはいわゆる二郎系ラーメンを味わえるお店なのです。
そしてつけ麺はまさに、二郎系と広島つけ麺の良いとこ取り。極太で強いコシのある平打ち麺に、旨味の濃い辛味つけダレがしっかりと絡み、インパクトのあるビジュアルとは裏腹に、いつの間にかペロリと平らげてしまうおいしさ!
ニンニク、野菜、背脂などは、初めての人には「普通」がおすすめですが、「少なめ」や「マシ」の注文も可能です。

広島県広島市中区立町5-2 キャッスル立町1F
11時30分~15時30分(LO.15時15分)、17時30分~23時(LO.22時45分)※土日祝11時30分~23時(LO.同)
月曜(祝日の場合営業)
広電立町電停より徒歩2分
弁慶
飲んだ後の“シメ”にもぴったり。広島三大ご当地麺も味わえる

広島の飲み屋街といえば、流川(ながれかわ)と呼ばれる一角。その流川の、ど真ん中といえる場所にあるお店が弁慶です。
ランチ営業も行っていて、さらに夜の営業は22時から翌7時まで!飲んだ後、パンチの効いたつけ麺でシメるというのは広島らしい夜の過ごし方なのかも?
「広島三大ご当地麺」が食べられることをうたっていて、つけ麺のほか、汁なし担々麺、豚骨醤油ラーメンなども名物です。グループで訪れたら食べ比べてみるのもおすすめです。

つけ麺本舗 辛部
辛~いつけダレなのに、つい飲み干したくなるおいしさ

広島市中区十日市のお店を発祥に、複数店舗がある広島つけ麺のお店です。2019年4月にはJR広島駅近くにもお店ができ、観光客にはアクセスがいいのもうれしいポイントです。
このお店のおいしさの秘密は、カツオやサバなど数種類の魚節を使ったダシ。辛さとともに旨味が豊かに広がる感じがあり、つい最後まで飲み干したくなる味わいです。
辛さは30倍まで選ぶことができ、「超辛」「猛辛」など目安が書かれていて、選ぶのに迷いそう。また、キャベツやキュウリの代わりに海苔が乗った「のりねぎつけ麺」などもおすすめです。

広島県広島市南区松原町10-31 第5平勝ビル101
11時~14時30分、17時30分~24時(LO.23時45分)※日曜22時まで
不定休
JR広島駅南口より徒歩3分
つけ麺本舗 ばくだん屋
突き抜ける爽快な辛さ。不思議とクセになる味わい

広島市内を中心に多くの店舗を展開している広島つけ麺のお店です。他県や海外にも出店していることもあり、旅行で訪れた“一見さん”も、気負わず入店できる安心感があります。
では味がマイルドかというと、広島つけ麺らしい味わいはシャープそのもの。喉越しツルツルの中太ストレート麺に、たっぷりのキャベツやネギ、そして小魚など海の幸を使った旨味たっぷりのダシに秘伝の辛味が合わさったつけダレが美味。
辛さは3倍を基準に、100倍や200倍も可能です。
鼻の頭から汗が出るほどの辛さだったのに、しばらく経つと「また食べたい」と思い始めるのが不思議。やみつきになる魅力を持った一杯です。

唐々亭(からからてい)
まずは冷たく締められた麺を一口!心地いい喉越しが爽快

赤、緑のビビッドな色使いの看板が目を引く唐々亭。広島市内中心部に2店舗があり、地元の人からおすすめされることも多いお店です。
盛り付け方に工夫があり、野菜の下に麺が隠れていることが多い他店とは違って、麺が手前に美しく盛られているのが特徴。まず最初にツルッと麺を味わいたい人にはうれしい気遣いです。
最も定番のメニューがチャーシュー盛り。具が変わるささみ盛りやわかめ盛り、麺なしの野菜チャーシューなどもあるのでチャレンジしてみてもいいかも。
まとめ
広島つけ麺を味わうときのコツを。
辛さは後から足せるお店がほとんどなので、注文時は多少控えめにしておくと失敗がありません。とはいえ、そんなこと気にせず「10辛じゃああ」と豪快にオーダーするのもまた広島つけ麺の世界。
食べる時は、つけダレをしっかり混ぜること。辛味成分は分離して浮きやすいので、混ぜることで辛味成分ばかりが麺に絡むのを防げます。
ズズッ!と勢いよくすすると、赤いしぶきが服に付くことも……。ペーパーエプロンを用意してくれているお店も多いので、遠慮なく利用しましょう。
※この記事は2019年7月時点での情報です
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ミキティ山田
旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。