close

2021.02.17

【春の星座10選】北斗七星や春の大曲線など有名な星の見つけ方。星空観賞の持ち物も

春の星座を鑑賞しよう!3月から5月の夜空には、ひと際明るく輝く3つの一等星、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、うしかい座のアークトゥルスを結んだ春の大三角形や、柄杓の形をした北斗七星、春の大曲線など見つけやすい星座や星列がたくさんあります。

星座学習サイト「88星座図鑑(https://www.study-style.com/index_seiza.html)」を運営している天体観察のスペシャリスト、スタディスタイル★自然学習館の齋藤さんに、春の星座の特徴や見つけ方、星空観賞の持ち物や注意点などを詳しく教えていただきました。

※この記事は2021年2月2日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
記事配信:じゃらんニュース

春の夜空の特徴

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

3月~5月頃にかけて、夜に見やすい位置にある星座を「春の星座」と呼んでいます。

3月上旬は午後11時過ぎに春を代表する星座が全て夜空に現れますが、日を追うごとに早まり、4月下旬になると午後9時頃には、南の空に春の星座が勢揃いしています。

春の星座を巡る夜空の旅は北斗七星が出発点。

柄杓の形をした星列は見つけやすく、ガイド役にぴったりです。北斗七星から辿る星座の見つけ方を順を追って紹介します。

【おおぐま座(北斗七星)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

3月下旬なら22時頃、北の空高くに柄杓を伏せたような形に並んだ7つ星を探してみてください。北斗七星として知られる星々ですが、おおぐま座の尻尾と身体の一部になっている事をご存じでしょうか?

尻尾の星を繋いだ線を身体の方に延ばしていくと、2つ並んだ小さな星が見つかります。この星が熊の前足となり、北の空を悠々と歩く大きな熊の姿を形作っています。

おおぐま座は古くから、季節や時間を知るための大切な役割を持つ星座とされています。

【こぐま座(北極星)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

北斗七星を作る柄杓の水桶の外側の底の星(β星)と縁の星(α星)とを結んだ線を5倍ほど延ばした先に、小さな暗い星が見つかります。北の空の中心となっている北極星です。

北極星を先頭に、小さな北斗七星のような形に並んだ7つ星がこぐま座。熊の親子にあたる大小2つの星座は、北極星を中心に1年中沈むことなく北の空を回り続けています。

ギリシャ神話では、おおぐま座とこぐま座は悲しい親子の物語として伝えられています。

【うしかい座(アークトゥルス)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

北斗七星の柄杓の柄の部分にあたる3つの星から弧を描くように線を延ばしていくと、オレンジ色に輝く一等星にたどりつきます。うしかい座のアークトゥルスです。

春の夜空でいちばん明るいこの星を頂点に、ネクタイのような形に星を辿ると浮かび上がるのが、2匹の猟犬を従え、こぶしを振り上げる巨人の姿をしたうしかい座。

ギリシャ神話では、天空を両腕で支える巨人アトラスとも言われています。

【おとめ座(スピカ)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

北斗七星から、うしかい座のアークトゥルスへ延ばした線をさらに延ばしていくと、青白く輝く一等星にたどりつきます。おとめ座のスピカです。

おとめ座はスピカ以外に目を引く明るい星がなく形が分かりにくいのですが、全体に大きなY字形を横に寝かせたような形で、背中に翼をもち、手に麦の穂をたずさえた女神の姿を表しています。

ギリシャ神話では、大神ゼウスの姉で収穫の神デメテルの姿と言われています。また、スピカはアークトゥルスと合わせて「春の夫婦星(めおとぼし)」とも呼ばれています。

【しし座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

うしかい座のアークトゥルスとおとめ座のスピカを結んだ線を底辺とし、西に大きな二等辺三角形を作るように目をやると、ほのかに白く輝く一等星にたどりつきます。これが、しし座のレグルスです。

レグルスを頂点に北へ目をやると「?」マークを裏返しにしたように星が並んでいます。これは、「ししの大鎌」と呼ばれ、ししの上半身の形を表しています。

しし座の尻尾にあたる二等星デネボラは、おとめ座の頭上に位置しています。

ギリシャ神話では、ネメアの森に住む人食いライオンと言われています。

【春の大曲線と春の大三角】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

北斗七星(おおぐま座)の柄杓の柄とうしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカを結ぶ大きなカーブは「春の大曲線」と呼ばれています。

さらに、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラを繋いでできる三角形は「春の大三角」と呼ばれ、春の夜空を特徴づける壮大な図形として知られています。

【かに座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

しし座のレグルスからさらに西に目をやると、2つ並んだ明るい星が目に止まります。ふたご座のカストルとポルックスです。

しし座とふたご座の間に横たわっているかに座。位置の見当はつけやすいのですが、明るい星がないので見つけにくいかもしれません。

かに座の中央にはプレセペ星団があり、肉眼でもぼんやりと見ることができるので、それを目安にすると良いでしょう。

おとめ座、しし座、かに座、ふたご座。この星座の並びに見覚えはないでしょうか?そう、星座占いでお馴染みの星座ですね。

黄道十二星座と呼ばれるこれらの星座は、天球の上を太陽が1年をかけて移動する間に通る星座たちなので、順番に見つけていくことができます。

【うみへび座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

しし座の前足から下に目をやると少し暗い二等星が見えます。うみへび座の心臓にあたるアルファルドです。

そこから、かに座の方向に頭、おとめ座の方向に尻尾が伸びています。

東西に長く延びるうみへび座は全天でいちばん大きな星座ですが、暗い星で形作られるため全体を見つけるのは難しいかもしれません。位置関係と二等星アルファルドを頼りに探してみてください。

ギリシャ神話では、勇者ヘルクレスが退治した水ヘビの怪物ヒドラの姿と言われています。

【からす座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

春の大曲線をおとめ座のスピカからさらに伸ばしていくと、うみへび座の尻尾との間に小さな四辺形(台形)をした4つの星が見つかります。これが、うみへびの背中に乗った真っ黒なカラスの姿をした、からす座

そのむかし日本では、「四つ星」「帆かけ星」(帆がついた小さな船のように見えるため)という名で呼ばれていたこともあるそうです。

ギリシャ神話では、音楽の神アポロンの使いカラスの物語として伝えられています。

【コップ座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

うみへび座をからす座がある尻尾から頭に向かってたどっていくと、6つの星がUの字に並んだ下に4つの星が四角形に並んだ星々が見えてきます。広がった注ぎ口の下に持ち手が付く古代ギリシャの盃の形を表したコップ座です。

四等星ほどの暗い星でできているため、分かりやすい形の割に見つけるのは難しいかもしれませんが、うみへび座の背に乗っているので位置から探してみてください。

ギリシャ神話では、酒の神ディオニュソスが使っていた盃とも、音楽の神アポロンが使っていた盃とも言われています。

【かみのけ座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

春の大三角のうち、うしかい座のアークトゥルスとしし座のデネボラを結ぶ線から少し北極星寄りに、小さな星の群れが見えます。かみのけ座の散開星団です。

かみのけ座は、明るい星を結んで形を作る星座とは違い、たくさんの星があつまった星団を髪の毛の束に見立てた珍しい星座。美しい星団は、双眼鏡や天体望遠鏡での観察がおすすめです。

ギリシャ神話では、古代エジプトのベレニケ王妃の髪の毛と言われています。

星空観賞をするときの持ち物

双眼鏡

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

肉眼でも十分に鑑賞できますが、よりクリアに観たい、星をしっかり観察したいという人には双眼鏡がおすすめです。

口径40~50mm、倍率7~10倍くらいのものだと初心者でも気軽に手ぶれせず使用することが可能です。

スマホをセットして写真撮影ができるものもあります。

星座早見表

星座を調べるのに役に立つ星座早見表は初心者のマストアイテム。現在の時刻と方角を合わせるだけで、今見える星座を知ることができます。

スマートフォンの星座アプリで代用することもできますが、電波がつながりにくい場所で観賞する場合にはぜひご用意を。

コンパス&時計

星や星座を見つけるには、方角や時刻が頼りとなります。こちらもスマートフォンの時計やコンパスアプリで代用できますが、観賞する場所によっては実物を準備しておきましょう。

ライト

夜間の移動、暗闇での観賞なので照明も欠かせません。懐中電灯でも十分ですが、ヘッドライトやネックライトを使用すれば、両手が自由に使えて便利です。

ただ、夜間に明るい光を見てしまうと目が惑わされて星空が見えなくなってしまうので要注意。

他に観察している人がいる場合は迷惑にもなるので、事前に赤いセロファンなどで覆っておきましょう。光が弱まり、目が疲れず周囲への配慮にもなります。

レジャーシート

長時間観賞する際にはぜひお忘れなく。休憩や座ったり寝転んだりしながら星を眺めることができます。

厚手で裏が防水素材のシートを選べば、土からの湿気で濡れることも冷たくなることもなく、より快適に過ごせます。

防寒具

春の夜はまだまだ冷え込む季節です。星空観賞や星座探しに集中できるよう、寒さを感じない服装を選びましょう。

星空観賞をするときの注意点

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

星空観賞は、街の明かりや街灯などの光が少なく、まわりに高い建物がない場所がおすすめです。

建物の屋上、丘の上、キャンプ場、水平線が見える海の近くなどが理想的。

月の明るさにも注意してください。新月の前後数日間は空が暗く、暗い星も見えやすくなります。新月でなくても、月が沈んだ後の時間帯なら観察に適しています。

観賞する地域の月の出・月の入の時刻や月齢(新月、満月等)、星や星座が見える時間や方角を事前に調べておけば、良い状態で鑑賞することができます。

さらに、星空観賞アプリや星座学習アプリを利用すれば、より簡単に、より気軽に、星空を楽しめます。

【監修】88星座図鑑

\こちらの記事もチェック!/
【全国】満天の星が見られる星空スポット。感動必至の体験を!
2021年みずがめ座の流星群は5月6日と7月28日~30日が見頃!
2021年ペルセウス座流星群の見頃は8月13日!方角や放射点など解説
【冬の星座】オリオン座など有名な星座の見つけ方。星空観賞の持ち物も
しぶんぎ座流星群とは。見頃方角、放射点・極大期、観測のコツも
ふたご座流星群とは。見頃や方角、放射点・極大期、観測のコツも

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

仲西なほ子  仲西なほ子

沖縄出身、沖縄育ち、沖縄在住。15年間の東京生活を満喫してUターン。現在はフリーランスで取材・執筆・編集・コピーの仕事と、美容の仕事でプライベートサロンも稼働中。息抜きは沖縄県内のリゾートホテル巡り。

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード