福島県会津地方の伝統工芸品である赤べこ。その愛らしい姿と縁起物としての意味合いから、お土産や贈り物の定番になっています。今回は、赤べこの伝説や歴史を紹介。2024年にオープンしたアカベコランドやユニークなコラボ商品もチェックしてください。
「赤べこ」とは?歴史や由来を解説!

赤べこの「べこ」とは、会津地方の方言で牛のこと。牛の形の張り子人形を赤く塗り、黒の斑点、白の縁取りを描き、頭を触ると首の部分がゆらゆらと揺れるように作られているのが、会津の郷土玩具・赤べこです。
古くは“厄除け牛”や“幸運の牛”とされ、魔除けや縁起物として会津の人々に愛されてきたものが、現在は工房ごとに独自のデザインを施し、それぞれの願いが込められた土産になっています。
平安時代、蔓延した疫病を払った赤い牛が由来
古くから日本では、赤い色は病魔を払うと伝わってきました。赤べこの黒い斑点は「疱瘡(ほうそう)」(天然痘)を現すとされ、平安時代に疱瘡が流行した際、赤い牛が疫病を払ったという言い伝えから、幼い子どもたちを守るために身代わりに赤べこを作ったという説があります。
また、会津地方では1611年に起きた大地震で、家屋の倒壊など大きな被害を受けました。その時、被災した福島県柳津町の圓蔵寺・福満虚空蔵尊堂の再建が行われ、多くの黒牛が過酷な労働に倒れる中、お堂の完成まで懸命に働いたのが赤毛の牛=赤べこだったという伝説があります。そこから縁起のいいものと親しまれるようになったそうです。
赤べこは福島の定番お土産!
赤べこは福島土産の定番ですが、置物だけでなく、様々なキャラクターや美術館などと幅広くコラボレーションしています。ここではその一部をご紹介します。
福島限定ちいかわ 赤べこ ダイカットキーホルダー

『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』のキャラクター、ちいかわ、ハチワレ、うさぎが、赤べこの着ぐるみをまとった可愛らしいデザインのキーホルダー。東北自動車道国見サービスエリア下り線、安達太良サービスエリア上下線のショップや、会津若松市の「雑貨商きずな」などで購入することができます。
[取り扱い店舗]雑貨商きずな、東北自動車道国見サービスエリア下り線・安達太良サービスエリア上下線のショップ、ほか
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ひげべこ

福島県北塩原村にある「諸橋近代美術館」内のショップでは、スペインの芸術家・サルバドール・ダリをイメージした2種の「ひげべこ」を販売しています。人気商品で欠品もありますが、再販の場合は公式ホームページやSNSで教えてくれます。現地ショップのほか、オンライン購入も可能です。
美術館では、ダリの作品を約340点所蔵。立体作品群を展示する彫刻ホールや、3m×4mの大作『テトゥアンの大会戦』を展示しています。
福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ヶ峯1093-23
9時30分〜17時(最終入館16時30分)
展示替え休館・冬期休館あり
【観覧料】展示会によって異なる。中学生以下は無料※詳細は公式HPを確認
磐越道猪苗代磐梯ICより20分
200台(無料)
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赤べこが楽しめるおすすめスポット
あかべこカフェ


風情ある街並みの七日町通りで、ひときわ目を引く大きな赤べこが出迎えてくれるカフェです。店内は木の温もりを活かした落ち着いた雰囲気で、赤べこモチーフの多彩な雑貨も販売しています。
ごはんの上にキャベツを敷き、 ふわふわの卵焼きとサクサクのソースカツを盛り付けた「柳津ソースカツ丼」や「会津風トルコライス」1300円などのランチメニューのほか、「甘酒スムージー」600円といったカフェメニューも揃っています。
赤ベコ公園


高さ2mのすべり台、スツール、スイング遊具、水飲み場、フェンスのイラストまでユニークな赤べこが揃う公園です。赤べこマニアの間では密かに注目されていたスポットが、テレビで紹介され一躍話題になったのだとか。大きな赤べこと一緒に写真撮影するのもいいですね。
アカベコランド


「アカベコランド」は、赤べこの起源や歴史を紹介するほか、伝統的なキャラクターを新たなデザインにして現代に親しみやすく紹介する施設として2024年4月にオープンしました。
館内には、赤べこづくしのお土産が揃う「物販エリア」、歴史や豆知識が学べる「教えて!VEKO兄」のほか、フォトスポットやゲームコーナー、絵付け体験エリア、製造工程見学エリアもあり、多彩な楽しみ方ができます。
野沢民芸商店 七日町店


会津若松市にある「野沢民芸商店 七日町店」では、赤べこをはじめ、干支張り子、犬張り子など自社で製作した多彩な民芸品を展示、販売しています。
特に人気なのは、“好機が波のように途切れること無く訪れる幸福”を意味する伝統柄・青海波の赤べこや、いろんなインテリアにあわせて買える16色の「カラフルべこ(1870円~1980円)」だそうですよ。
福島県会津若松市七日町9-1
10時~15時30分
不定
七日町駅より徒歩10分/磐越道会津若松ICより車で8分
なし※近隣に中町観光客専用無料駐車場あり
[オンラインショップ]
まとめ
頭をつつくとゆらゆら首を振る姿に癒やされる赤べこ。お土産としてだけではなく、実は古い歴史と縁起物の願いが秘められていました。福島を訪ねたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
※この記事は2024年10月3日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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中林 貴美子
旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。