訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。
この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、エリアや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。(メイン画像:板室温泉 大黒屋にて撮影)
※この記事は2022年7月13日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
夏バテ防止には、浴感軽めなぬるい温泉がぴったり
夏真っ盛りのいま、ふだんの入浴をシャワーで済ます方も多いはず。しかしなんとなく体がだるくて元気が出ない…という方は、夏バテしているかもしれません。
夏バテは、屋外の猛烈な暑さと、冷房の効いた部屋の温度差による自律神経の乱れや、ビールやアイスなどの冷えた食べ物を食べすぎることによる胃腸の機能の低下が原因だといわれています。
夏バテを防ぐ方法として、温泉に浸かりに行くのもひとつの手。こってりした濃厚な温泉ではなく、あまり温泉成分が含まれていない、浴感の軽い湯がおすすめです。軽い温泉は、湯疲れや湯あたりを起こしにくく、疲れた体を優しく癒やしてくれます。
そして温度は熱すぎず、ぬるめの温泉を選ぶのがベター。熱い湯は交感神経が優位になり、リラックスしにくいのがデメリットです。40度以下のぬるい温泉にゆっくり浸かって、こもった体の熱をとりつつ、自律神経の乱れを整えるのがいいでしょう。
今回ご紹介するのは、東京からも行きやすい、夏バテ防止に効果がありそうな「浴感軽め」で「ぬるめ」な4つの温泉地です。夏休みにさくっと訪れてみてはいかがでしょうか。
避暑も兼ねて訪れたい、山間の静かな温泉地・みなかみ温泉郷(群馬)
群馬県みなかみ町に点在する温泉旅館をまとめて総称する「みなかみ温泉郷」。各エリアに個性豊かな宿があり、湯を目当てに訪れるお客さんの多い、山間の静かな温泉地です。東京練馬ICから最寄りの月夜野ICまたは水上ICまでは1.5時間ほどで、都内から週末旅行をするにもぴったりな距離感です。

みなかみ町に湧く温泉は無色透明でやわらかい湯が多く、その自然豊かなロケーションもあいまって、ゆっくりと体を癒やしに行くのに最適です。
「川古温泉 浜屋旅館」や「法師温泉 長寿館」など、ぬる湯が人気の宿もあります。
30度のフレッシュな源泉が足元から湧出する下部温泉(山梨)
武田信玄公にゆかりがあり、2000年の歴史をもつ古湯・下部(しもべ)温泉。“隠し湯”といわれるぬるい源泉に浸かるのを目当てに、温泉ファンが足繁く訪れる小さな里です。東京発で特急電車または車を使って、2~2.5時間でたどり着けます。

下部温泉にある「古湯坊 源泉館」では、湯船の底から約30度のぬるい源泉がそのまま湧いてくる“足元湧出”の温泉を体験できるのも魅力的。温泉はつるつるの肌触りで永遠に浸かっていられそうな軽やかさがあります。
素朴な湯治場の雰囲気に心休まる板室温泉(栃木)
古くから“下野の薬湯”と呼ばれ、湯治の里として親しまれてきた板室(いたむろ)温泉。いまも温泉地は素朴な雰囲気で、ゆったりとした時が流れています。

ややとろみのあるつややかな源泉は、40度前後とぬるめ。「板室温泉 大黒屋」という宿では、土日祝もひとり泊OKなので、ひとりで夏休みにふらりと訪れるのも叶います。近くには那須温泉や塩原温泉などの人気の高い温泉地もありますが、ゆっくり静かに養生したいなら板室を選ぶのがよさそうです。
アクセス抜群の箱根湯本温泉も、夏バテ防止温泉としておすすめ(神奈川)
新宿駅から小田急ロマンスカーに乗って85分。都内近郊屈指のアクセスの良さを誇る箱根湯本温泉も、夏バテ防止に推したい温泉地のひとつです。箱根湯本は広大な箱根温泉郷の入り口にあたるため、強羅や大涌谷よりも気軽に行ける距離感なのがポイント。

箱根湯本には浴感の軽い無色透明のやわらかな温泉が湧いています。ただし、加温しているところも多いので、ぬるい湯に浸かれる「萬翠楼 福住」「養生館はるのひかり」などをめがけていくのがおすすめ。
夏に温泉へ訪れる際のポイント
個人的には、冬ではなく夏こそ温泉のシーズン!と思っているほど、夏の温泉旅行は気持ちよくて体調を整えられるのでおすすめです。ただし、夏の温泉旅行には注意も必要。
例えば、お盆休みなどの大型連休に予定を組むと、いつも以上に宿泊代が高騰している可能性があるため、時期は少しずらすのがコツ。そして癒やしを求めて山間の温泉地へ行ってみると、虫がいっぱいいたり、日差しが強すぎたりして、露天風呂でゆっくりできなかった…なんてこともしばしば。開放露天ではなく、内風呂が魅力的な宿を目指すのがよいかもしれません。前述の通り、成分が濃厚すぎる温泉は、湯疲れや湯あたりを起こす可能性もあります。夏はやわらかくて癖のない、無色透明な温泉を求めるのがツウなのです。
ちなみに前回はマリンアクティビティが充実している海辺の温泉地を紹介しました。この記事とあわせて、夏の旅行計画を立ててくださいね。
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永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi