close

2020.08.23

日帰り入浴、「ついで」なんてもったいない<2020>

ひとり旅はもちろん、ひとりカラオケ・ひとり焼肉など最近では「おひとりさま」も楽しめることが増えてきていますね。でも「ひとり〇〇を経験してみたいけど、どう楽しんだらいいかわからない」そんな方もいると思います。

そこで温泉オタクの永井千晴さん(@onsen_nagachi)に“ひとり温泉旅行”の楽しみ方を教えていただきました!永井さんは、ひとり温泉旅行に関する書籍も進行中とのこと(詳細は発売が見えてきたら告知します!)。

毎月、連載で少しずつ“ひとり温泉”を楽しむヒントをお伝えしていけたらと思います。

※この記事は2020年8月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

せっかくの温泉旅行、泊まる旅館の温泉だけに浸かるのはもったいないかもしれません。どうしても日帰り入浴は「サクッと」「ついでに」という位置づけになりがちですが、温泉好きな私にとってはもうひとつのメインディッシュです。

なぜなら、「いい温泉」は旅館だけでなく、温泉地からほど遠い素朴な日帰り入浴施設にも注がれているから。

日帰り入浴はどこにでもありますが、たまたま寄ったところが“思わぬ名湯”なのはレアなケース。事前にリサーチして、旅程にもちゃんと組んだ状態で挑むのがベストです。

そもそも、“日帰り入浴”って?

日帰り入浴は、おおよそ以下の4つに分類されます。

1.温泉街にある外湯、共同浴場

日帰り入浴、「ついで」なんてもったいない
道後温泉(愛媛)の「道後温泉本館」のように、温泉街のシンボルになっている施設も
日帰り入浴、「ついで」なんてもったいない
大好きな有福温泉(島根)の日帰り入浴施設、御前湯

温泉街の中にある、「外湯」や「共同浴場」、または「元湯」「総湯」「大湯」などと呼ばれる施設。観光客が多く、きれいに手入れされていて、旅情ある施設も多くあります。

旅館よりも新鮮な湯を引いている場合もあり、まずは浸かってみるのがベターです。施設内には歴史を物語る古い看板や写真が飾られていて、昔から愛されているその尊さに、思いを馳せるのも楽しみのひとつです。

2.旅館がチェックアウトからチェックインの間に受け入れてくれる日帰り入浴

10時~15時などの時間帯で、日帰り入浴をさせてくれる旅館があります。「泊まるのはちょっと値段的にハードルが高い」「この旅館の温泉、すごくいいらしいから、まずは泊まる前に浸かってみたい」といった理由から利用します。

1000円前後で浸からせてくれるところが多く、泊まるとなると10倍はかかるはずなので、温泉だけを楽しむならリーズナブルと言えそう。あこがれ旅館の温泉にお得に浸かるチャンスなので、午前中にがんばって訪れるのが吉です。

3.温泉地にある、無人の日帰り入浴施設

日帰り入浴、「ついで」なんてもったいない
野沢温泉(長野)には、無人の湯小屋(=外湯)が13もある

古い温泉地によくある、観光スポット的な湯船です。“野天風呂”のパターンと、事前に賽銭箱のような箱に小銭を入れて浸かる“湯小屋”パターンがあります。野天風呂はほとんど混浴で、バスタオルOKは少なく、女性ひとり客のハードルがかなり高め。

野沢温泉(長野)など、湯小屋めぐりを打ち出している温泉地もあり、新鮮な温泉体験が味わえるのでおすすめです。3の温泉は、どこもすばらしい湯が注がれています。

4.住宅街や山間にポツンと建つ、日帰り入浴専門施設

日帰り入浴、「ついで」なんてもったいない
全国で五本の指に入ると勝手に思っているサイコーの日帰り入浴施設、あおき温泉(福岡)

地元客が多いため、生活感ある雰囲気を漂わせています。木桶よりもプラスチックの洗面器が備えられ、常連客のシャンプーセットが置いていることも。意外にもいい温泉が湧いているところも多く、事前の情報収集なしにはたどり着けない穴場もたくさんあります。常連さんが「私は毎週通っていて、膝が軽くなった」「この湯は本当に、どの温泉よりもすばらしい」と愛を語ってくれるのも魅力です。

このうち、私がもっとも旅程に組み込んで、楽しみにするのは4。おそろしいほどの個性を持ち、「なんでこんなところにこんな湯が」と驚きがあります。4に出会うためには、前述の通り、事前にどこにあるのかを調べておくことをおすすめします。道すがら、たまたま名湯に出会えるのは稀。わざわざ遠回りしたり、足を伸ばしたりして出会えるような場所ばかりなのです。

また2も、なるべく事前に調べておきたいところ。チェックインからチェックアウトまでのわずかな時間帯に日帰り入浴したいがために、これまで何度もわざわざ朝早く出発して車を走らせる旅程を組んできました。温泉オタクの温泉旅行は、15時までが勝負なんですよね。

日帰り入浴は、あらかじめ旅程に入れておこう

「行きたいと思っていた日帰り入浴施設が臨時休業だった」「口コミに書かれていた情報と変わっていて、日帰り入浴はもう受け付けてないらしい」……。温泉好きであれば、一度は体験したことがあるのではないでしょうか。

日帰り入浴は地元客向けだったり、宿泊業の合間に受け入れてくれたりするものなので、細かな情報がインターネットに載っていないことばかり。事前に、なるべく公式かつ最新の情報をキャッチしておきましょう。

私のおすすめは、施設の公式サイトか、観光協会・旅館組合のサイトを参考にすること。だれかの口コミやブログに頼っていると、情報が古い、または間違っているケースも。旅館の温泉が日帰り入浴を受け入れているかわからない場合は、公式サイトの「よくある質問」や「アクセス」などの一見関係なさそうなページもチェックを。「日帰り入浴していますか?」はよくある質問なので、そこで答えてくれているケースがままあります。

日帰り入浴、「ついで」なんてもったいない
私はGoogleMapで候補の日帰り入浴施設を事前にプロットしています

温泉好きは知っている

事前のリサーチは、全国の温泉ファンがインターネットに書き綴っているレビューやレポートが一番参考になります。「温泉の良さ」は普遍的な情報なので、何年前の書き込みでも有用と言えるでしょう。

旅館の温泉もいいけれど、せっかく足を運んだのであれば、近くの隠れた名湯にもぜひ浸かってもらいたいです。たった数百円の入浴体験に、幸せと感動が満ち満ちているはずです。


\過去の記事はこちら/
「せっかくだから」の呪縛から解放されると、ひとり温泉はもっと楽しい
「温泉旅館で1泊2日2食付き」以外の選択肢が、旅行をもっと楽しくする
次の温泉旅行は、絶対にサイコーにしたいあなたへ
ひとり温泉旅の“むりしない”1泊2日旅行計画
400超の温泉を訪れたマニアが考える“いい温泉”の定義

■プロフィール

永井千晴(ながち)

永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は400超。普段はCHOCOLATE Inc.でプロデュース業をしています。元じゃらん編集部員。
Twitterアカウント @onsen_nagachi

永井千晴(ながち)  永井千晴(ながち)

温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード