現存天守が残る日本の城を全て紹介!現存天守とは、江戸時代以前に建設した天守が現在も残っている天守閣のことです。日本にある12城のうち、松本城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城の5城の天守は国宝に指定されています。
天守の特徴や城の構造などそれぞれ異なるので、城巡りの参考にしてくださいね。
【青森県】弘前城
春には満開の桜と天守のコラボレーションが楽しめる

1611年に完成し、弘前藩の政治の中心地として機能した青森県・弘前城。東京ドーム約10個分という広大な城跡内には、石垣や土塁といった遺構が多く残されています。
天守は落雷によって一度は焼失してしまいましたが、1810年に再建。二の丸隅櫓と城門は築城時からの建造物と言われており、それらを含め9棟は国の重要文化財に指定されています。
城跡は公園となっていて、春には約2600本の桜が咲き誇る絶好の花見スポットになりますよ。
青森県弘前市大字下白銀町1-1
9時~17時
11月24日~3月31日
弘前城本丸・北の郭入園料【大人】320円【子ども】100円
弘前駅よりバスで約15分/東北自動車道大鰐弘前ICより約25分
なし
「弘前城」の詳細はこちら
「弘前城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:弘前市)
【長野県】松本城
雄大な北アルプスを背景に佇む姿は圧巻

戦国時代に建築された深志城(ふかしじょう)が前身となった長野県・松本城。
建造当時のまま姿を今に残す天守は、東西三間と南北四間の間取りである辰巳附檜、武備のない柱と薄い舞良戸(板戸)でできた月見櫓が繋がっており、“連結複合式天守”と呼ばれています。
北アルプスの山々を遠景に、黒と白のコントラストが映える城の姿は、思わず見とれてしまうほどの美しさ。
年間を通して日没から22時までは天守のライトアップも実施しています。昼間とはまた違った、幻想的な風景にも注目です。
長野県松本市丸の内4-1
【通常】8時30分~17時(最終入場16時30分)【大型連休・夏季時間延長期間】8時~18時(最終入場17時30分)【1月1日~3日】10時~15時30分(最終入場15時)
12月29日~31日
天守観覧料【大人】電子チケット1200円、紙チケット1300円【小・中学生】電子・紙共に400円※2025年4月1日(火)~
松本駅よりバスで約10分/長野自動車道松本ICより約20分
あり(有料)
「松本城」の詳細はこちら
「松本城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:松本城管理課)
【愛知県】犬山城
天守からの眺望も魅力。木曽川沿いの丘に立つ城

織田信長の叔父・信康によって1537年に築城された愛知県・犬山城。李白の漢詩に登場する、川沿いの小高い丘の城とロケーションが似ていることから、別名“白帝城”とも呼ばれています。
石垣内部の地下2階の上に、4階建てからなる天守は、中央が弓なり状にせり上がった唐破風(からはふ)や侵入者を防ぐ石落としといった構造が見どころ。
最上階からの眺めが抜群で、眼下には木曽川、天気に恵まれれば御嶽山や岐阜城、名古屋駅ビルまで見渡す大パノラマが満喫できますよ。
愛知県犬山市犬山北古券65-2
9時~17時(最終入場16時30分)
12月29日~31日
入場料【一般】550円【小・中学生】110円
犬山遊園駅より徒歩約15分/名神高速自動車道路小牧ICより約25分/中央自動車道小牧東ICより約25分
あり(有料)
「犬山城」の詳細はこちら
「犬山城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:犬山市観光協会)
【福井県】丸岡城
春には美しく咲き誇る桜に包まれる、別名“霞ヶ城”

福井県・丸岡城は、一向一揆への備えとして、織田信長の命により柴田勝家の甥・勝豊が築城しました。合戦時に現れた大蛇が、霧を吹いて城を隠したという伝説から、別名“霞ヶ城”とも呼ばれており、春には周囲に植えられた桜がまるで霞のように城を覆う光景は圧巻。
二層三階、高さ約12mの独立式望楼型天守は国の重要文化財に指定されています。外観は2階建てですが、内部は3階建てであり、自然石を積み上げる野面積(のづらづみ)によって造られた石垣は頑丈。
城内の階段は急な傾斜となっており、2階から3階部分は67度もあります。最上階へ行く際は足元に気をつけてくださいね。
福井県坂井市丸岡町霞町1-59
8時30分~17時(最終入場16時30分)
なし
入城料金【大人】450円【子ども】150円
福井駅よりバスで約1時間/北陸自動車道丸岡ICより約5分
あり(無料)
「丸岡城」の詳細はこちら
「丸岡城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:丸岡城管理事務所)
【滋賀県】特別史跡 彦根城跡
破風や花頭窓を配した、白亜の美しい外観の天守

井伊直政の子・直継と直孝が約20年かけて築城した後、井伊家が居城として長年受け継いできた滋賀県・彦根城。自然の地形を利用して造られた平山城なので、“金亀城”とも呼ばれています。
様々な破風を配した屋根や華頭窓で飾られた、気高さを漂わせる白亜三層の天守閣。細長い長方形をした天守は見る角度によって違う印象を与える外観です。櫓や御殿、屋敷などは江戸時代当時のまま現存しており、国宝に指定されています。
城内の見学も可能で、階段を昇った先の天守3階からは、琵琶湖を一望する絶景が楽しめますよ。
滋賀県彦根市金亀町1-1
8時30分~17時(最終入場16時30分)
なし
入場料(城・玄宮園)【大人】1000円【小・中学生】300円
彦根駅より徒歩約15分/名神高速自動車道彦根ICより約15分
あり(有料)
「特別史跡 彦根城跡」の詳細はこちら
「特別史跡 彦根城跡」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:彦根城運営管理センター)
【兵庫県】姫路城
シラサギが羽ばたくような優美な佇まいが魅力

黒田官兵衛や羽柴秀吉、池田輝政といった名だたる戦国大名の居城として使われていたという兵庫県・姫路城。主要な建造物は築城した江戸時代当時のまま現存しており、1993年には世界遺産にも登録されました。
大天守と小天守を渡櫓(わたりやぐら)で結ぶ連立式天守になっていて、羽を広げたシラサギの姿にも見えることから別名“白鷺(しらさぎ)城”と呼ばれています。
弓や鉄砲で攻めてきた敵兵を攻撃するための狭間や、石垣を登ってきた敵を迎え撃つための石落としなど、戦を想定した数々の仕掛けが今なお残り、歴史のロマンを感じられる城です。
兵庫県姫路市本町68
9時~17時(最終入城16時)※季節により変動あり
12月29日・30日
入城料【18歳以上】1000円【小・中・高校生】300円
姫路駅・山陽姫路駅より徒歩約20分/播但自動車道花田ICより約15分
なし※周辺の有料駐車場を利用
「姫路城」の詳細はこちら
「姫路城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:姫路城管理事務所)
【島根県】松江城
四方を展望できる天守で宍道湖や松江市街を眺める

豊臣秀吉の重臣として知られる堀尾吉晴が築城したと言われる島根県・松江城。明治時代に一度は解体の危機に直面するも、天守閣は地元の人々によって買い戻されたため現存しています。
大きな柱を使わず、短い通し柱を配置して支えられており、天守最上階の望楼は壁もなく、360度の角度から松江市街や宍道湖(しんじこ)が見渡せますよ。
城の内部には、籠城戦になった時のために造られたと言われる井戸や、石垣を切り抜いて設けられた隠し部屋など、防衛と攻撃を兼ね備えた設備が残されています。
島根県松江市殿町1-5
【4月~9月】8時30分~18時(最終入場17時30分)【10月~3月】8時30分~17時(最終入場16時30分)
なし
天守入場料【大人】800円【小・中学生】400円※2025年4月1日(火)~
松江駅よりバスで約10分/山陰自動車道松江西ICより約15分
あり(有料)
「松江城」の詳細はこちら
「松江城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:松江城山公園管理事務所)
【岡山県】備中松山城
雲海の中に佇む幻想的な“天空の山城”


備中松山城は、岡山県高梁市の北、標高430mの臥牛山(がぎゅうざん)に立つ城です。車で約25分の距離にある雲海展望台からは、条件が揃えば9月下旬~4月上旬の早朝、雲海の中に浮かぶ城の姿が見られますよ。
大手門付近で目に飛び込んでくるのは、高さ10m以上の岩壁と石垣群が組み合わさった見事な景観の石垣群。天守や二重櫓は山の岩盤を基礎に建造されています。
天守は二層二階の木造本瓦葺き。2階には10の神々を祭る御社壇、1階は外部の侵入を防ぐよう工夫がこらされた装束の間が設けられています。
岡山県高梁市内山下1
【4月~9月】9時~17時30分(最終入城17時)【10月~3月】9時~16時30分(最終入城16時)
12月29日~1月3日
入城料【大人】500円【小・中学生】200円
備中高梁駅よりタクシーで約10分/岡山自動車道賀陽ICより約20分
あり(無料)
「備中松山城」の詳細はこちら
「備中松山城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:(一社)高梁市観光協会)
【香川県】丸亀城
石垣が幾重にも積み重ねられた光景は壮観

香川県にある標高66mの亀山に立つ、丸亀城。生駒親正が子である一正と共に5年がかりで築いた、自然の小山を利用した平山城です。内堀から頂上にかけて、4層の石垣が城を取り囲むように築かれており、その勾配の美しさから“石の城”とも呼ばれています。
天守は高さが約15mあり、三重三階の造り。唐破風や千鳥破風といった装飾が施され、北側には石落としの仕掛けや自然のままの木材を使ったの格子窓も残っています。
天守が位置する本丸からの眺めも魅力の一つ。瀬戸内海や讃岐富士、遠くには金刀比羅宮(ことひらぐう)のある象頭山(ぞうずさん)まで見渡せます。
香川県丸亀市一番丁
9時~16時30分(最終入城16時)
なし
天守観覧料【大人】400円
丸亀駅より徒歩約15分/高松自動車道善通寺IC・坂出ICより約20分
あり(無料)
「丸亀城」の詳細はこちら
「丸亀城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:一般財団法人 丸亀市観光協会)
【愛媛県】松山城
瓦に“葵の御紋”が付された格式高い名城

愛媛県・松山市のほぼ中心、勝山山頂に位置する「松山城」。幕末まで城主を務めた松平氏が幕府の縁者であったことから、瓦には徳川家の家紋である“三つ葉葵(葵の御紋)”が使われています。
天守・小天守・櫓を四方に配置し、渡櫓で繋ぐ連立式天守が特徴。入母屋造りの建物に物見を乗せた望楼型の野原櫓と、1階から最上階までが徐々に小さく積み上がっていく層塔型の天守の2種類で構成されており、他にも、敵の侵入を阻止するための登り石垣やジグザグに屈曲させた高さ14mもある屏風折(びょうぶおれ)など、築城の名手・加藤嘉明の技が光る要素が随所で見受けられます。
愛媛県松山市丸之内1
9時~17時(最終入場16時30分)※季節により変動あり
天守は12月第3水曜
天守観覧料【中学生以上】520円【小学生】160円
大街道駅より徒歩約5分(ロープウェイ・リフト乗り場まで)/松山自動車道松山ICより約20分
あり(有料)
「松山城」の詳細はこちら
「松山城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:松山城総合事務所)
【愛媛県】宇和島城
白い壁に華やかな装飾が映える美しい天守

明治を迎えるまで“西国の伊達”こと宇和島伊達家が9代にもわたって居城とした愛媛県・宇和島城。築城の名手・藤堂高虎が手掛けており、五角形の外郭は、敵の目を欺くための技術であったと言われています。
国の重要文化財に指定されている現在の天守は、伊達政宗の孫・宇和島伊達家2代宗利が1661年から数年がかりで改修したもの。屋根の上に乗る三角形をした千鳥破風(はふ)や、破風の内側に取り付けられた飾りである懸魚(げぎょ)といった御殿建築を思わせる装飾が特徴です。
豊かな自然に囲まれた立地で、天守最上階からは宇和島湾が望めます。
愛媛県宇和島市丸之内
【1月~10月】9時~17時【11月~2月】9時~16時
なし
天守観覧料【一般】200円【65歳以上】160円
宇和島駅より徒歩約15分/松山自動車道宇和島朝日ICより約4分
あり(有料)
「宇和島城」の詳細はこちら
「宇和島城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:宇和島市)
【高知県】高知城
様々な仕掛けの凝らされた、追手門と天守閣がともに残る城

漆喰の白色と瓦の灰色の取り合わせが、鷹の羽に見えることから別名“鷹城”とも呼ばれる説がある高知城は、土佐藩初代藩主・山内一豊が築城しました。
1727年の火災で一度は焼失。22年かけて再建された天守は望楼型で、小天守や付櫓を伴わない独立式天守です。本丸御殿や追手門など15棟が国指定重要文化財になっています。
追手門と天守がともに残り、また天守と本丸御殿が両方完全な形で現存するのは高知城のみだそう。石を落として敵の侵入を防ぐ石落としや矢を射るための隙間である矢挟間塀、鉄串を打って敵が登ってくるのを拒む忍び返しといったさまざまな仕掛けが現在でも残っています。
高知県高知市丸ノ内1-2-1
9時~17時(最終入館16時30分)※季節により変動あり
12月26日~1月1日
高知城天守・懐徳館・東多聞・廊下門利用料【18歳以上】500円※2025年4月1日(火)~
高知城前駅より徒歩約5分/高知自動車道高知ICより約20分
あり(有料)
「高知城」の詳細はこちら
「高知城」の口コミ・周辺情報はこちら
(画像提供:高知城管理事務所)
\宿・ホテル検索はこちら/
※この記事は2025年3月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載の価格は全て税込価格です。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
VG探究部
グルメ、スポーツ、旅行、結婚など様々な分野の「もうちょっと知りたい」を発信